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2021/02/20

「観る将」が増えていく過程の中にあって、若きスーパーヒーロー、藤井聡太が登場する。2016年、14歳の藤井少年は加藤九段の史上最年少記録を抜いて、プロ棋士として認められる四段に昇段。デビュー戦では奇しくも加藤九段と当たり、勝利。以来無敗で将棋界新記録となる29連勝を達成し、空前の「藤井フィーバー」を巻き起こした。AbemaTVの2017年人気番組ランキングで、3位と4位は藤井四段の対局だった。Twitterでは「観る将」を名乗るアカウントが多く現れた。特に女性ファンは劇的に増えている。

藤井聡太四段 ©文藝春秋

 藤井四段の活躍が広く世間に知られるにつれて、「観る将」は爆発的に増えた。そして藤井四段が昇段を重ね、次々に新記録を更新するにつれ、過去の記録も注目され、羽生九段や加藤九段などはやっぱりすごい人だったんだと再認識される。そんな好循環をもたらした。

「推し」との距離が近い将棋界

 将棋界では「推し」との距離感は他の分野に比べればはるかに近い。棋士に会いに行こうと思えばイベントや指導対局などを通じて、わりと簡単に会うこともできる。

 将棋はわずか9×9という広さの盤面の上で、たった40枚の駒を動かしておこなわれるゲームだ。それだけの設定なのに、「指す将」は指せば指すほど、そのあまりに奥が深いことを痛感させられる。

 近年、人がある分野にハマるとき、その分野は「沼」と表現される。「将棋沼は深い」と「観る将」が驚く光景をよく目にするようになった。「指す将」だけでなく、「観る将」にとっても奥が深い。それが将棋界というところである。

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