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ツイッター社長に聞いてみよう

リクルートの営業マン、起業家、外資系企業の代表取締役…「経験者」が実感を込めて語る“起業に向いていない人”のたったひとつの特徴

リクルートの営業マン、起業家、外資系企業の代表取締役…「経験者」が実感を込めて語る“起業に向いていない人”のたったひとつの特徴

ツイッター社長に30の質問 #17

note

 新卒で入社したリクルートでトップ営業マンになり、MTVやマイクロソフトなど外資系企業でキャリアを積んできた、ツイッタージャパンの代表取締役・笹本裕氏。実は過去に2回起業した経歴の持ち主でもある。さまざまなキャリアを経た「経験者」が語る「起業に向いた人」とは?

◆◆◆

Q.「起業に向いている人、向いていない人」の違いは何ですか?

 

 先の見えない時代です。

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「いっそ独立して起業しようかな?」と思っている人も多いのではないでしょうか。起業にはリスクが伴いますが、そのぶんいろんなことが身につくのでオススメです。

 実はぼくも2回、起業をしてきました。今回はぼくの思う「起業に必要な条件」についてお話しします。

 起業に必要な条件は次の3つです。 

 1つ目は「精神力」です。起業すると、会社員時代とは180度違う環境になります。会社の看板はもう使えません。自分でキャッシュフローを見て、たとえどんどんお金がなくなっていく状況でも先を見続けなくてはなりません。

 ビジネススクールなどでも、キャッシュフローマネジメントは学べます。しかし会社を実際に立ち上げて損益計算書とにらめっこするのは、ビジネススクールでの机上論とは訳が違います。支出と収入のバランスをどのように取るか。実際に従業員に給料を払いながら計算していくのは、すごくドキドキします。

 

 2つ目は、弱る精神力をカバーできる「体力」です。どんなにピンチでも、落ち込んでいても、どんどん人に会ってどんどん仕事を回していく必要があります。気持ち的に弱っていても、体を動かせるかどうかが重要です。

 3つ目は、ある意味での「鈍感力」です。基本的にものごとは計画通りに進むことはまれです。すごくきれいで素敵な事業計画書を作っても、それはあくまで「机上論」。変に繊細にならず、完璧主義に陥らず、どんどん動かしていくパワーと、一歩踏み出すことを恐れない力も必要ですね。

 ちなみによく「若いほど起業に有利」などと言われます。でもぼくは基本的に、年齢に関係なく起業していいと思っています。

起業しない方がいいタイプは…

 逆に、起業せず会社員でいたほうがいいタイプは「決められたことをしっかりやりたい人」です。言われたことをきっちりやるのは、決して悪いことではありません。でもそれだけに特化していると、起業するのはちょっと厳しいです。言われたことに対して、さらに付加価値をつけて戻してくるような人が、起業する資質を持っていると思います。