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コロナ禍で観客減、“上限”にも達しない…「日本のプロ野球」が衰退しないために必要な変革とは

2021年の論点100

2021/03/07

 新型コロナウイルスの感染拡大によって広まった新しい生活様式の波は、確実にスポーツ界にも広まっている。

 コロナ禍の中でプロ野球は2020年3月にJリーグと共同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」を設立し、3月20日に予定されていたペナントレースの開幕延期を決めた。その後は改めて選手、スタッフらの感染防止策を行いながら、専門家の意見をもとに各野球場で感染予防対策等を実施するなどして開幕に向けた準備に着手。最終的には全120試合に縮小した形で、6月19日には無観客での開幕にこぎつけた。

 その後は政府の方針に従う形で7月10日に上限5000人での有観客試合をスタート。9月19日以降は球場の収容人員の半数をメドに入場者数を増やし、段階的に人数の拡大を行ってきた。

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 ようやくスタンドにファンの姿が戻ってきた訳だが、そこで少なからず異変があったことはコロナ後に向けて見逃せない部分でもあった。

 昨今のプロ野球は野球人気の低迷が叫ばれる中でも、確実に観客動員を伸ばしてきている。12球団合計の動員は2017年が2513万9463人で前年から15万7949人増、更に18年には2555万719人と前年から41万1256人増を記録。19年にはそこから98万6243人アップの2653万6962人と動員数を増やしてきていた。

 もちろんこの観客動員の増加は、各種イベントや球場周辺施設の拡充などスタジアムの総合エンターテイメント化を進めてきた球団の営業努力に負うところが大きい。と同時に、いわゆる“カープ女子”に象徴されるような、ただ野球を観るだけでなく、応援そのものを楽しむというファンスタイルの変化も重要なファクターとなっている。

 試合が始まれば、同じユニフォームを着たファン同士が一体となって、応援歌を歌いながらパフォーマンスを繰り広げる。野球の試合観戦だけでなく、日常から離れた応援スタイルそのものを楽しむライトなファンの存在。彼らはスタジアムに何度も駆けつけるリピーターとなって、ここ数年の観客動員の増加を下支えする存在となっていた。