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「私たちの卵巣、もうホルモンをつくる気がない!」野宮真貴60歳・松本孝美55歳・渡辺満里奈50歳と学ぶ“女性ホルモン砂漠”サバイブ術

『大人の女史会』にようこそ #1

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「何ともない人はそのままでいい」は間違い

一同 なるほど~。

松峯 だから、同じ「砂漠」でも千差万別。満里奈さんのような人は、いままで生き抜いてきた強さ、忍耐力、それをはねのける強さがあるから、深刻にならないの。

渡辺 私、ホント、全然気づかなかったんです。

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松峯 じゃあ、何ともない人はそのままでいいの? って、そうじゃないの。昔は人生50年だったでしょ。第二次世界大戦以前までは日本人の平均寿命は50歳未満。昔だったら、私なんかここにいない。存在しないの。

 ところが戦後、寿命はどんどん延びていった。いまは、人生100年時代。でも、女性の体は不思議なもので、栄養状態がいいから初潮年齢はどんどん下がってはきているけれど、閉経年齢は昔から50~52歳と決まっていて、世界中どの女性もだいたい同じなの。となると、砂漠状態のまま、50年生きなくちゃいけなくなる。すると体に無理が出てくるんです。

 まず心臓。心筋梗塞とか心臓血管系の病気のリスクが高まるのね。それから骨。骨粗鬆症。それから脳。アルツハイマー、認知症。女性ホルモンが足りないことでかかりやすくなる病気があるんです。だから、生理が上がった、あ~さっぱりした、って言うけれど、潜んでいる病気がジトジト現れてくるの。

更年期の進行を抑える方法は?

渡辺 やだ、もっと早く検査すればよかった。いつからこんな砂漠になったんだろう(笑)。女性ホルモンは、もう絶対に増えることはないんですよね?

松峯 ないです。

野宮 よくイソフラボンのサプリがいいと聞くんですが、それを摂取しても、そういった更年期の進行は抑えられないんでしょうか?

 

松峯 イソフラボンは、女性ホルモン様の作用をするのね。つまり、エストロゲンと同じような働きをしてくれる物質だから、飲むことによって症状が少し収まるということはあります。漢方薬も、証が合えばすごくいい。

 でもそういったものを摂っても症状が緩和されなければ、エストロゲンそのものを体に入れることになるのね。それがホルモン補充療法。錠剤を飲んだり、パッチで体内に取り込んだり。膣座薬もあるわね。

一同 へえ~!!