〈解説〉
一流誌で女性を撮り続けたファッション・フォトグラファー、ヘルムート・ニュートンの生誕100年を記念して制作されたドキュメンタリー。1920年にベルリンに生まれたニュートンは、1950年代半ばから各国版の「ヴォーグ」誌をはじめとするファッション誌で女性のヌード写真など衝撃的かつユニークな作品を発表し、賛否両論を巻き起こした。本人の記録映像と、女優のシャーロット・ランプリングやイザベラ・ロッセリーニ、米国版「ヴォーグ」編集長のアナ・ウィンター、モデルのグレイス・ジョーンズやクラウディア・シファーら12人の女性へのインタビューで、ニュートンの素顔や、作品の芸術性、社会との関係性を解いていく。監督は、100本以上のドキュメンタリー作品を製作・監督したゲロ・フォン・ベーム。93分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆怪優シュトロハイムに憧れつつ、案外、人柄は明朗快活。物語を感じさせる写真の数かず。女の顔ぶれもゴージャス。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆ニュートンの意外な側面より、彼と親しかった人たちの眼力が問われるのが面白い。I・ロッセリーニの発言が渋かった。
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斎藤綾子(作家)
★★★☆☆裸婦のフォルムの美しさに改めて感動。妻ジューンの存在が創作を刺激する。お茶目な巨匠の幼少期の記憶も見逃せない。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆炎上案件の表現も視座のアングルを変えれば意味が反転する。「撮られる側」の愉悦を込めた写真論にして、優れた人物伝。
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洞口依子(女優)
★★★★☆もし生きていたら100歳のヘルムート。今なぜ彼を振り返るのかを考える。女たちの声とワイマール共和国時代の話は天晴。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』(独)
Bunkamura ル・シネマ、新宿ピカデリーほか全国順次公開中
https://helmutnewton.ayapro.ne.jp/about.php
