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“インストール型”と“”目印型”が…俵万智のお悩みに中野信子が教える「方向音痴、2つの原因」

あなたのお悩み、脳が解決できるかも?

2021/01/06

 みなさまのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えします。

中野信子さん ©文藝春秋

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Q 方向音痴につける薬はありませんか――57歳・歌人・俵万智からの相談

 根っからの方向音痴です。目印を記憶する方法でしか道を覚えられません。それを知っている友人から「帰りは、この猫のいる角を曲がってね」とからかわれます。

 以前住んでいたマンションではエレベーターが向き合う形で設置され、南に向かってドアが開くものと北に向かってドアが開くものがあったため、降りた途端に方角がわからなくなって二回に一回は自分の部屋の対角線上にある部屋に行き、ハッとして引き返していました。実はその部屋のドアに鍵を差し込んでガチャガチャさせて、住人に怒られたこともあります。

 同じ町内でA→Bという引っ越しをした時は、AからBへ直接行こうとすると必ず迷うので、Aから駅、駅からBという手順を踏みました。家から行きつけの店への道も二通り知っていますが、なぜその二つの道で同じ店にたどりつけるのか、さっぱりわかりません。こんな方向音痴に、つける薬はありますでしょうか?

最新回は発売中の「週刊文春WOMAN 創刊2周年記念号」に掲載中

中野信子の回答

A 自分は方向音痴だ、という人は多いですね。空間や位置関係をうまく把握することができず、地図を読むのが苦手な人たちです。

 地図を読めない原因については2つの説があります。1つは、脳の中に地図がインストールされていないという考え方です。世の中には、地図がインストールされていて、しかも適宜アップデートされるので、あたかもいつも地図を参照しているかのように動ける人と、なかなか地図をインストールすることができない人とがいます。インストールしやすい、しにくいというのには個人差があって、これは生まれつきなんです。

 念のため、これはいわゆる頭のよさ・悪さとはまったく関係ありません。私の知っている人の中では京大の医学部を出て研究者として活躍されている方にそういう人がいますが、この人は2回角を曲がると、もう道に迷ってしまいます。新しい場所で開かれる学会に行くときなどはもう大変です。