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2021/01/26

管理職になれない、なりたくない人たちをどうするか

 企業側は以前から、コストの高い中高年の存在を問題視し、希望退職や出向などで、リストラを続けてきたが、あくまで対症療法にすぎず、低成長の時代に、いよいよ限界が見えてきた。今後は、さらに管理職との間で待遇差が開く仕組みに変わっていくだろう。

 ただ、現行の法制度では、働きぶりが悪いからと言って、簡単に解雇できるわけではない。解雇の金銭解決制度も検討はされているが、国民のアレルギー的な反発感情があるため、制度は簡単には変わらない。そのような状況下では、非管理職の中高年人材が沈澱したままになる可能性がある。

 そこで一人のエキスパートとして生きる道を用意できるかどうかが重要になる。みな管理職を目指そう、という風潮が「日本型雇用」のもとでは強かったが、管理職になれない、なりたくない人たちの位置付けをもっと考えなければならない。

©時事通信社

 最近は、新しい人事制度として、職務内容に応じた給料を払う「ジョブ型雇用」が注目されているが、中高年のエキスパートに求められる職務を定義して運用する、という意味でも有用な面がある。

 ただ、キャリアの形成について、一朝一夕には変えることができないため、問題の当事者ともいえる50代については、「逃げ切り」「しがみつき」をめぐる会社との攻防が激化するだろう。それでも、70歳まで働く時代を控えるなか、もっと前向きに人材育成を考えるべきだ。