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小池百合子都知事が目指す? 「史上初女性総理」の野望

2021年の論点100

 小池百合子(68)には「悪運」がある。

 その象徴的なシーンが、1期目の小池都政では3度あった。

 2016年8月、小池は都知事就任1カ月で、築地から豊洲への市場移転延期を決定。“暴走”と思われたが、直後に土壌の有害物質を遮断する「盛り土」が豊洲市場でなされていないことが発覚し、“英断”とされた。

19年10月、IOC(国際オリンピック委員会)が東京五輪マラソン・競歩会場の札幌市への移転を突然発表した際は、小池は無駄だと知りながらIOCに徹底的に抵抗。存在感を示した。

そして20年初めのコロナ禍勃発。7月の都知事選を前に、政府・自民党は“政治休戦”を余儀なくされた――。

「女性初の総理」を視野に…

 私は著書『小池百合子 権力に憑かれた女 ドキュメント東京都知事の1400日』(光文社新書)の中で、小池がそうした「悪運」を手繰り寄せ、巧みな“政治勘”で権力を維持する様子を描いた。

 40歳で国会議員となった小池は、防衛相、総裁選出馬、自民党三役と「女性初」のポジションを切り開いた。「女性初の総理」が視野に入らないわけがない。

小池百合子東京都知事 ©文藝春秋

 だが06年、年齢も当選回数も下の安倍晋三が総理となり、目算が狂う。稲田朋美、丸川珠代ら小池より若い女性議員が台頭し、「ポスト安倍」には小池より5歳下の石破茂と岸田文雄が確実視された。

 しかし、小池は終わらなかった。16年、自民党に刃を向けることで「女性初の都知事」の座を手に入れるのだ。

 20年7月の都知事選で、小池は歴代2位の366万票を獲得し、軽々と再選された。

メディアの関心は小池の国政復帰、すなわち「女性初の総理」の可能性に移った。小池は「当選したばかり」などと煙に巻いたが、その2カ月後、またも「悪運」が舞い込んだ。

 安倍の突然の辞任、そして菅義偉総理の誕生である。