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2021/02/21

そもそも日本の携帯電話料金は世界と比べて高いのか

 日本におけるDXを進めるためには5Gスマホの早期普及が必要だが、菅総理の発言が通信業界の足を引っ張っている。

 菅総理(当時は官房長官)は2018年夏に「日本の携帯電話料金は高すぎる。4割値下げできる余地がある」と発言。2020年の自民党総裁選においても「料金値下げ」を目玉の政策としてきた。新政権・武田良太総務相も「(値下げは)できるできないじゃなくて、やるかやらないかの問題。1割程度じゃ改革にならない」として、キャリアに大幅な値下げを迫っている。

菅総理 ©JMPA

 そもそも、日本の携帯電話料金は世界と比べて高いのか。総務省では6カ国(日米独仏英韓)で調査を行っており、それによれば日本はアメリカ、韓国と同様に高めの水準だ。

 しかし、オープンシグナルという調査会社によれば日本と韓国はネットワークの接続率や通信速度において6カ国のなかでトップクラスであった。つまり、通信品質を考慮すれば料金は妥当とも言えるのだ。

 そんな中、5Gを開始するにあたってNTTドコモは4Gプランから500円、KDDIとソフトバンクは1000円値上げしている(KDDIとソフトバンクは2年間のキャンペーンを適用させ、今のところ1000円は徴収されない)。

 キャリアとしては5Gを開始することで値上げの方向を模索していたが、政治のプレッシャーにより、むしろ値下げを検討せざるを得なくなってしまったのだ。

 キャリアが値下げを実現するには、コストの削減が必要だ。最もコストがかかっているのが設備投資。年間、どの大手キャリアも5000億円規模の設備投資を行っている。

 今後数年は5Gの基地局を設置していくため、さらに設備投資がかさむ。意向に沿うよう料金値下げを実現すれば設備投資が削られ、5Gのエリア展開は遅れることになるだろう。