1月6日午後1時半、暴徒と化したトランプ支持者たちが首都ワシントンDCの米連邦議会議事堂を襲い始めた。警備が手薄だった正門から、正面突破した。
私が議事堂に到着したのは3時過ぎ。裏玄関には1000人近い支持者が集まり、そのうち100人ほどが、議事堂内に入ろうとしていた。
集まった男性の1人は私にこう言った。
「ここはオレたちの税金で作った建物なんだから、入って何が悪いんだ」
暴徒の一部は、破った窓ガラスから建物の中へ侵入。警察から大量の催涙ガスを浴びせられ、ペットボトルの水で目を洗い流す男たちを何人も見た。
現場には狂気と殺気が濃霧のように立ち込めていた。国歌や「God Bless America」ががなり立てるような声で歌われ、「We Love Trump」や「U.S.A.」というシュプレヒコールが起こり、警官に対して「裏切者」という怒声が飛んだ。
4時27分、建物から出てきた女性はこう叫びながら、遠ざかっていった。
「内部で女性が撃たれて死んだわ。ここから逃げないと危ないのよ」
それを聞いた男性は「これは内戦だ」と絶叫した。
数分後、警察は催涙弾に加え、閃光弾も使い始めた。耳を貫くような爆発音とともに大量の白煙が上がる。
裏玄関でのもみ合いに終止符を打ったのは、警察が5時過ぎに放った大量の催涙ガスだった。入り口前に詰めかけた100人近い人々を狙って散布されると、私もガスを浴びて呼吸困難となり、視界が極端に狭まった。