伊藤忠商事は石井敬太専務執行役員(60)が4月1日付で社長COOに昇格、細見研介執行役員(58)が3月1日付で子会社ファミリーマート社長に就任、そして岡藤正広会長兼CEO(71)は留任する人事を発表した。
「岡藤氏は2010年に社長に就任しました。社長任期は6年が慣例ですが、8年間社長を務めた後、18年にCEOを兼ねる代表取締役会長に就任。今回の留任で“岡藤政権”は12年目に突入しました。一方で現社長は代表権を持たない取締役副会長に退く。中国ビジネスに力を注ぐ岡藤氏を、任期制限を撤廃し、更なる権力集中を目論む習近平国家主席に擬(なぞら)える声もあります」(伊藤忠関係者)
今年3月期には純利益で三菱商事を追い抜き、業界首位の座を奪取するのが確実な伊藤忠。非資源など幅広い分野に投資をしてきた“岡藤流”の経営が功を奏した成果と見られている。
「そんな岡藤氏にとって唯一難航しているのが、後継者選びでしょう」(同前)
「文藝春秋」20年10月号のインタビューでは「毎年、『今年までや』と思っています」としつつ、こんな本音を語っている。