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スゴすぎる「無印のレトルトカレー」、マニアの度肝を抜いた立役者の正体

2021/01/24
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 無印良品といえばシンプルかつ高品質な生活用品のお店としてあまりにも有名ですが、この数年、「無印のレトルトカレーが凄い」という話を頻繁に耳にするようになりました。「無印こそスパイスカレーブームを陰で支える主役」とまで言い切るカレーマニアもいます。

 その無印のカレー、いったい何がそんなに凄いのか。まずは単純にその商品点数です。無印良品の通販サイトで確認できるだけでもその数40種類以上。もちろん実店舗にも多種類のカレーがずらりと並びます。

 またそれらは単に種類が多いというだけでなく、バリエーションの幅広さも圧巻。ビーフカレーやポークカレーなど定番の欧風カレーから、「シチリアレモンのクリーミーチキンカレー」などの創作系カレー、そしてなんと言っても無印のカレーの名を高からしめているのが本場の味を追求したエスニック系のカレーの数々です。

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©getty

無印良品は、エスニック系レトルトカレーのパイオニア

 実はこのエスニック系レトルトカレーに関して、無印良品はパイオニアのひとつでもあります。無印良品が初めてレトルトのタイ風グリーンカレーを発売したのは2002年。レトルトカレーと言えば「ボンカレー」に代表されるような家庭的なカレーか、もしくは少し高級なものでもレストラン仕様の欧風カレーくらいしかなかった時代にタイカレーを発売するというのは相当野心的です。

 その後2009年には日本におけるインドカレーの代表とも言える「バターチキンカレー」も発売しました。これらの商品はその後何度もレシピの改良が繰り返され、現在でも主力商品です。

 そうやってひっそりとエスニック系レトルトカレーの火を灯し続けた無印良品ですが、2010年代中期からはその大躍進が始まります。タイ風のグリーンカレーやレッドカレー、そしてインドのバターチキンカレーくらいなら世間にも知られるようになってきた頃ですが、無印はそれらに加えてより専門的でマニアックな商品を続けざまにリリースしていくことになります。

 現在のラインナップで言えば、キーマやマッサマン、プーパッポンくらいならまだしも、パラックパニール、マトンドピアザ、プラウンモイリー、ルンダン、マッカニー、などなど余程のカレーマニアでもない限り「何言ってるかわからない」商品までずらりと並んでいます。