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「私はおもちゃ」河井案里氏有罪……長い判決文にあった“気になる一文”

2021/01/29

「被告人を懲役1年4月に処する。この裁判確定の日から5年間、その刑の執行を猶予する」

 1月21日、公選法違反(買収)罪に問われた河井案里参院議員(47)に有罪判決が言い渡された。

昨年11月11日、保釈後初出廷する案里氏 ©共同通信社

 1カ月ぶりに法廷に現れた案里氏は前回より髪を短くしていたが、毛髪は痩せ、完璧主義の彼女らしからぬハネも寝癖みたいに目立ち、顔や体はむくんでいた。黒のパンツスーツに紫色のシャツを合わせ、左胸には紺の議員バッジが光る。

 裁判長の正面に立つこと約2分間。背筋を伸ばして手を前に組み、主文を聞き終えると一礼する。その後は椅子に座り、広島県議4人に対する計160万円の現金供与を「買収」と認める裁判長の朗読が続くと、不満そうに首を左に傾げた。次第に両耳が赤らむ。自分の無罪の訴えが次々に否定されると、何度も片手を目元にやり、すすり泣きのような音が止まらなくなった。

 逮捕直前の昨年6月、筆者の取材に鬱病や精神科への入院歴を明かしていた彼女は、「医師のサポート」を条件に10月27日に保釈。だが、その後も一切記者会見を開くことはなかった。

 判決の日も発言の場は設けられなかったが、私に「裁判で勝てますよ」と断言した頃の勝気さは消えていた。