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2021/02/02

動画が「皇帝」への反発に火をつけた

 ロシア大統領報道官は「大統領は宮殿を持っていない」と否定したが、邸内には畳のトレーニングルームもあり、柔道愛好家のプーチン用であることは確実だ。情報機関の連邦保安局(FSB)が一帯を管理し、航空機の上空通過が禁止されているという。

 プーチンは、この宮殿から約200キロ離れたソチにもコロニアル風に大改装した公邸を構えている。国内20カ所に宮殿や別荘を持つとの噂もあり、贅沢三昧の皇帝然としてきた。

2016年、来日したプーチン大統領を出迎える安倍首相(当時) ©JMPA

 だが、国民の大半はソ連時代に建てられた古くて狭い集合住宅に住むだけに、動画が「皇帝」への反発に火をつけた。1月23日にはロシア各地でナワリヌイの釈放を求めるデモが行われ、モスクワでは4万人以上が「プーチンのいないロシアを」などと気勢を上げた。治安部隊は全土で3000人以上を連行した。

 プーチンの私生活は最大のタブーだ。ところが今回の動画で「プーチンの娘を出産した元愛人の掃除婦が100億円以上の不動産を取得」「愛人説が噂される元新体操選手が首都郊外に豪邸を確保」などと詳細に報じられ、疑惑が広く国民に知られた。ナワリヌイの一連の告発動画は、政権内部のリークがあるともいわれる。21年におよぶプーチン時代の黄昏を予感させる。

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