昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

三井住友トラスト新社長人事 影響を及ぼした「東芝事件」

2021/02/09

 三井住友トラスト・ホールディングスは1月28日、高倉透執行役員(58)が三井住友TH社長、大山一也常務(55)が三井住友信託銀行社長に就く人事を発表。11年4月、旧住友信託銀行と旧中央三井THの経営統合で発足した三井住友THは、メガバンクグループに属さない日本唯一の「専業信託銀行」だ。

「高倉、大山両氏はともに旧住友信託出身。統合以来、両社長を旧住友信託と旧中央三井の出身者で分け合うタスキ掛けが続いてきましたが、その慣例が崩れた形です」(信託銀行幹部)

 高倉氏は会見で“行内融和”を強調したが、舞台裏では「旧行間で激しいバトルが繰り広げられていた」(金融庁関係者)という。

 トップ人事が動き出したのは、昨年5月頃。THの大久保哲夫社長が信託銀の橋本勝社長に「統合10年を迎える21年4月に退任したい」と明かしたのだ。

「指名委員会の松下功夫委員長(ENEOSHD元社長)を交え、後任の議論が本格的に始まりました」(同前)

左から大久保氏、高倉氏、大山氏、橋本氏 ©共同通信社

 ところが、旧住友信託出身の大久保氏がTH社長に高倉氏、信託銀社長に大山氏を推したのに対し、タスキ掛けを死守したい旧中央三井出身の橋本氏はTH社長に大山氏、信託銀社長に山口信明常務(旧中央三井出身)を推したという。