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2021/02/09

橋本案が潰えることになった“ある事件”

「両者の議論は平行線が続き、指名委に高倉、大山、山口の3氏のトップ候補案が上がってきたのが昨年12月中旬。ここから指名委が個別面談に入るドタバタぶりでした」(同前)

 だが、この間、後任人事に影響を及ぼす事件が起きていた。東芝が開催した株主総会の議決権行使書を巡り、昨年9月、三井住友信託の不適切集計が発覚。東芝は旧中央三井の親密取引先で、議決権行使書の集計受託も旧中央三井時代からだ。東芝の大株主である投資ファンドが不適切集計を問題視し、臨時株主総会の開催を要求する事態に発展。旧中央三井の山口氏を推す橋本案は潰えた。

「11年の統合を決めたのは住友信託側が常陰均社長で、中央三井側は田辺和夫社長。組合閥の社長が多い中央三井にあって、田辺氏は金融庁とも親密で常陰氏と対等の関係を維持してきました。タスキ掛けはその象徴でしたが、田辺氏が体調を崩して一線を退いた一方、常陰氏は今も大きな影響力を持っている。THの高倉新社長も常陰氏の秘蔵っ子です」(同前)

 指名委で「高倉君では行内の多くの社員が失望し、意気消沈する」と漏らしたとされる橋本氏。旧行間の“信頼”構築は、これからが正念場だ。

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