〈あらすじ〉
クリス(イェデ・スナゴー)は14歳で家族を亡くして以来、叔父(ペーダ・ハンセン・テューセン)と2人で暮らしてきた。朝早く起きて、足の不自由な叔父の世話をして、家業の酪農の仕事と家事を淡々とこなす、穏やかな日々を送っている。27歳の夏、難産の牛を無事に出産させたクリスに、獣医師のヨハネスは助手を頼むようになる。クリスは獣医学校に合格していたが、高校卒業前に叔父が倒れたために進学を断念していたのだ。同じ頃、クリスは教会で知り合ったマイクからデートに誘われる。叔父は姪の幸せを願い後押しするが……。
〈解説〉
ユトランド半島南部の伝統的な酪農家の暮らしの中で、人生の転機を迎えた若い女性と叔父の関係を描くヒューマンドラマ。クリス役と叔父役の2人は実の叔父と姪。フラレ・ピーダセン監督が脚本・撮影・編集も手掛ける。東京国際映画祭グランプリ受賞。110分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆自然と共にある、過不足ない暮らし。日常そして無常。互いを思い合う2人。監督が小津映画ファンというのも、納得。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆身近な他者に人生を妨げられつつ保護されている感覚がよく伝わる。淡彩で描かれた映画の、穏やかな脈拍に好意を抱く。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆聡明で働き者の娘が傍にいてくれたらと、高齢者であれば熱望しつつ考えさせられる、淡泊なようで濃厚な情愛の物語。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆シンプルに見えて自立的な内面の運動が様々なパターンを編み込んでいく。恋する青年マイクの気持ちに入る人も多い?
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洞口依子(女優)
★★★★☆情報が整理されたミニマムな画面構成のおかげで感情の振れ幅がよく伝わってくる。日常って実は連綿と続く崇高な時間。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『わたしの叔父さん』(デンマーク)
YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開中
https://www.magichour.co.jp/ojisan/
