文春オンライン
「“性差別”高速で時速320キロのスピード違反」森喜朗氏“女性蔑視発言”を海外メディアはこう報じた

「“性差別”高速で時速320キロのスピード違反」森喜朗氏“女性蔑視発言”を海外メディアはこう報じた

2021/02/07
note

「女性がたくさん入っていると会議は時間がかかる」――。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が2月3日、JOC(日本オリンピック委員会)臨時評議員会でした発言は、瞬く間に国内外で報道され、「性差別的」と猛批判を受けた。ただでさえ、新型コロナウイルスの流行が収まらない中での東京五輪・パラ開催に暗雲が立ち込めていたが、また一つ悩みの種を抱えることとなった。

日本オリンピック委員会の女性理事増員方針をめぐる不適切発言について釈明する東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長 2月4日©時事通信社

首相退任も失言がきっかけだった

 これまでも失言続きだった森会長。首相時代の2001年2月、高校生ら9人が死亡したえひめ丸事故では、一報を受けてもゴルフを続けたことを非難されると「私が(官邸に)行かないことで、何が遅れたのか」と開き直った。これも世論の反感を買い、森政権は退陣に追い込まれた。

 女性蔑視発言の前日には、自民党本部の会合で、コロナ禍で開催が危ぶまれていることについて「一番大きな問題は世論がどういうふうに五輪を考えているか」と述べたのも、「世論軽視」と炎上した。

ADVERTISEMENT

 3日のJOC臨時評議員会。問題の女性蔑視発言が出たのは、JOCが女性評議員を増やすことについて話し合われているときだった。

「女性理事を選ぶというのは、日本は文科省がうるさく言うんですよね。だけど女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります。女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね」

 参加者からは笑いが起こったという。

「日本は天皇を中心とする神の国」という発言で釈明に終われたこともあった2000年当時の森喜朗元首相(東京・首相官邸) ©時事通信社

「#Moriresign(「森は辞任しろ」)」も拡散

 発言はすぐさま国内外で発信され炎上。米紙ワシントンポストは「(森会長が)女性は会議で話が長くて迷惑だと発言」と発信。同じく米紙のニューヨークタイムズも「女性の制限を示唆」、ロイター通信も「東京大会トップの森会長が性差別発言」と伝えるなど、各メディアが森会長が女性を蔑視していると厳しく報じた。

森氏の発言について報じるBBCのサイト
BBCは「#moriresign 」のハッシュタグが拡散していることを報じた

 翌4日に、森会長が謝罪会見を開き、発言を撤回しても、ワシントンポスト紙は「『反省』の意を表明したが、時折笑顔も見せていた」と皮肉った。森会長が会長職を辞退するつもりはないと述べたことについて、BBCはSNS上で「#Moriresign(「森は辞任しろ」の意)」というハッシュタグも出回っていると報じた。