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金融庁長官は“霞が関一”の教養人 菅首相の“圧力”に耐えられるか

2021/02/17

〈追い詰めない長官 未踏の金融行政は手探り〉

 日経新聞電子版(1月29日配信)に載った見出し。金融庁の氷見野良三長官(60)のことだ。〈追い詰めない〉とはどういうことか。

著書には仏近代彫刻家マイヨールの評伝も ©共同通信社

「菅義偉首相が看板政策に掲げる『地銀再編』についてです」(官邸関係者)

 筆者が入手した資料によれば、氷見野氏は1月14日、第二地銀トップとの懇談の場でこう語っている。

「8月以降、皆様の協力を頂き、週3回程度、ウェブで1対1で面談させて頂いている。スクリーン越しではあるが、お人柄も感じとることができ、大変貴重な機会となっている」

 要は、むやみに地銀を追い詰めるのではなく、経営陣とじっくりと対話を重ねていく方針なのだ。

「地銀の経営環境は地盤や歴史によって様々で、処方箋も千差万別。氷見野氏は再編に頼ることなく、地域課題を解決して経営を強化していく道もあると考えているのです。ただ、こうしたやり方は首相からはウケが悪い。氷見野氏単独では首相とのアポもなかなか取れず、麻生太郎金融相と同席するケースも目立ちます」(金融庁関係者)

 それだけではない。2月末に任期を終える預金保険機構・三國谷(みくにや)勝範理事長の後任人事を巡っても、首相の反感を買った。