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3週間前に軍司令官と会談…ミャンマー政変で囁かれる「中国黒幕説」

2021/02/16

 ミャンマーで想定外のクーデターが起きた。2月1日未明、アウンサンスーチー国家顧問など与党国民民主連盟(NLD)幹部らが一斉に拘束。かつて長期の軍政を敷いた国軍は「11月の総選挙に大規模な不正があった」と非常事態を宣言し、ミンアウンフライン最高司令官が三権を掌握した。

スーチー氏 ©共同通信社

「選挙不正」は根拠も不確かで、口実に過ぎない。対立を深めていたスーチー氏率いるNLDが総選挙で圧勝し、焦った末に強硬手段に訴えたと見るべきだ。

 国内外から「民主主義の否定だ」と非難を浴びる一方で、世界のメディアや識者の間で「中国黒幕説」が流れた。疑念を生んだ理由は、1月11、12日に中国の王毅外相がミャンマーを訪問していたからだ。王氏は政変の主役、フライン氏と会談し、ミャンマーを「兄弟」と持ち上げたとされる。

 この訪問で両国は「中緬経済回廊構想の加速」に同意、中央部のマンダレーから西部のチャウピュー間の鉄道建設に向けた共同研究に着手することになった。チャウピューはベンガル湾に面した港湾で、ここから中国への原油パイプラインが敷設されている。次のステップとして鉄道で中国へのアクセスの良いマンダレーと結ぼうとし、最終的に中国・昆明へ延びる予定だ。