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「返信は明日以降で結構です」と書く人が根本的に誤解している事実

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「返信は明日以降で結構です」と書く人が根本的に誤解している事実

メールやチャットでのやりとりで、意図を正確に伝えるためにはどうすればいいか。コンサルタントのリズ・フォスリエンとモリー・ウェスト・ダフィーは「就業時間外に送ったメールに『返信は明日でいい』と書いても、相手はプレッシャーに感じる。誤字脱字が多いメールを受け取った人は『怒ってるのか』と思う。意図した通りに伝わるか、常に確認して誤解を防ぐ必要がある」と説く――。

※本稿は、リズ・フォスリエン、モリー・ウェスト・ダフィー『のびのび働く技術 成果を出す人の感情の使い方』(早川書房)の一部を再編集したものです。

写真=iStock.com/tommaso79 ※写真はイメージです - 写真=iStock.com/tommaso79

「相手が意図を理解してくれるだろう」と思いすぎる

人は概して、何かを伝えようとするとき、自分の意図を相手が簡単に理解してくれるだろうと思いすぎる傾向にあります。

心理学者エリザベス・ニュートンはこれを証明する実験をしました。参加者は曲のリズムをたたく「タッパー」とそれを聞く「リスナー」に分かれます。タッパーは誰でも知っているような曲を選び、そのリズムを手でテーブルをたたいて「演奏」します。リスナーはそれを聞いて何の曲か当てるのです。タッパーは事前に、リスナーは2曲に1曲は当てられるだろうと予測しました。しかし結果はまったくの予想外れ。100以上の曲を試したうち、聞いた人が当てたのはわずか3曲でした。

自分が何かについて知っているとき、それを知らないというのがどういうことなのかを想像するのはとても難しいものです。クイーンの「伝説のチャンピオン」のリズムをたたいているとき、おそらくあなたは頭のなかで歌っているでしょうから、メロディは自然に再生されています。でもあなたが「ターン、タタターン、ターン」とたたくのを聞いている人からすると、その音だけでは何の曲かまではそうそうわからないのです。

こうした隔たりはメールなどのコミュニケーションでも生じます。「コミュニケーションにおける最大の問題は、意思の疎通ができたと錯覚することだ」とは、劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言です。メールやショートメッセージで思いがけず人間関係を破綻させてしまわないためには、何に気をつけるといいのでしょうか。仕事関係のやりとりで覚えておきたい注意点をみていきましょう。