昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

連載THIS WEEK

小野薬品汚職で“リベンジ” ゴーン事件も手がけた「エース中のエース」前特捜部長の豪腕

 小野薬品工業の不整脈用薬剤「オノアクト」を多数発注する見返りに、三重大名義の口座に現金200万円を振り込ませたとされる贈収賄事件。津地検は1月27日、第三者供賄の疑いで三重大病院臨床麻酔部元教授を再逮捕(別の第三者供賄罪で起訴)、さらに贈賄の疑いで小野薬品工業の社員2人を逮捕した。

「小野薬品などによれば、200万円は社内の正規の手続きを経た『奨学寄附金』として振り込まれたもの。こうした奨学寄附金が賄賂と認定されるのは異例です。実際、200万円は研究会の設営などに使われ、元教授が私的に流用した形跡もないとされる。それだけに今回の逮捕劇は、大学病院や製薬会社に大きな衝撃を与えました」(社会部記者)

 この事件を立件した津地検を率いるのは、昨年7月末に着任した森本宏・検事正(53)。「エース中のエース」と言われた前特捜部長である。日産自動車会長だったゴーン氏や秋元司衆院議員、文科省の局長らを逮捕するなど政財官界に斬り込む事件を手掛けてきた。

ゴーン事件が印象深かったと振り返る森本検事正(着任会見で) ©共同通信社

「ゴーン事件などの陰に隠れていますが、実は『製薬会社から大学への寄附金を巡る汚職』は、森本氏が以前から拘りを持ってきた構図です」(司法関係者)

 森本氏は特捜部副部長だった14年、ノバルティスの高血圧治療薬「ディオバン」を巡る論文不正事件を手掛けている。ノバルティスから巨額の寄付を受けていた大学で、研究に参加した元社員が会社側に都合の良い研究論文を発表させていたとされる事件だ。