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女性キャスターを逮捕、日が差さない独房で拷問……中国で何があったのか

2021/02/20

 中国は、オーストラリア国籍の女性キャスター成蕾(チェン・レイ)氏(45)を2月5日、「国家機密を違法に外国に提供した」疑いで逮捕した。

 中国湖南省生まれの成氏は10歳で中国人の両親に連れられて豪州へ移住。公立大学を卒業した後、大手飲料会社に勤めていた。だが、ジャーナリストになる夢が忘れられず米ニュース専門局CNBCで上海やシンガポールの特派員に。その後、中国中央テレビへ移籍し、2012年から海外向けのCGTNのビジネス番組でキャスターを務めていた。

©iStock.com

 昨春、北京で暮らすシングルマザーの成氏は、コロナ禍で学校閉鎖となり、11歳の長女と9歳の長男を豪州に住む母親に預けた。「豪中の架け橋」として知られた彼女だが、武漢市が感染の隠蔽を図ったという調査記事をFacebookで紹介していた。

 彼女の人生が暗転したのは昨年8月。治安当局によって突然拘束され、日が差さない施設の独房で、拷問に複数回かけられたという。

 9月には豪州人記者2人が中国当局から彼女との関係を聴取される寸前に在外公館に逃れ、緊急帰国した事件も起きた。

 これが報じられると、中国政府は「6月に豪州当局が中国人記者4人を捜査しパソコンなどを押収した」と発表。中国側は報復措置で、成氏を標的にした可能性も。

 一連の動きの背景には「過去最悪」と言われるほどの中豪関係の悪化がある。