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2021/02/20

中豪関係が悪化したきっかけ

 親中派の豪州が路線転換したのは18年のこと。中国が政治家への資金供与や企業買収で豪州を侵略する様を描いた、クライブ・ハミルトン教授の著書『目に見えぬ侵略』がベストセラーに。中国の工作活動への懸念が高まり、外国のスパイ活動や内政干渉を阻止する法案ができ、次世代通信規格5Gの整備で中国のファーウェイを排除した。

 そして、昨年4月にモリソン豪首相が、新型コロナの発生源などについてWHO(世界保健機関)から独立した調査を要求した。

国防費として10年間で20兆円を投じる方針のモリソン首相 ©共同通信社

 中国側は激怒し、国営紙の胡錫進編集長は「豪州は靴の底にへばりついたチューインガム。剥ぎ取ってやらねば」とSNSで煽った。また5月以降、中国は豪州産牛肉やワインなどに高関税を課し、秋には石炭の荷揚げを差し止め、豪貨物船が海上で立ち往生する事態になった。

 豪州にとって、中国は輸出額の3分の1以上を占める最大の貿易相手国で、経済的には痛手だが、豪国民は傲慢な中国に不信感を強めている。豪州は日米印との連携強化を進め、合同海上演習に参加。成氏の逮捕によって、豪州だけでなく世界中に中国への反感が広がることになるだろう。

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