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2021/02/28

韓国スポーツ界にイジメが蔓延する社会的背景

 だが、波紋は広がるばかり。男子バレーでは3人のスター選手がイジメ加害者であることが判明。ベテラン選手は12年前に代表チームでコーチから殴られていたことを暴露した。さらにプロ野球選手には小学4年生時代のイジメ疑惑が浮上。Kリーグ・ユースクラブや高校アイスホッケー部の暴力指導も告発されている。

 もっとも、それも身から出た錆と言わざるを得ない。韓国では子供の頃から徹底した成績至上主義のもとで選手たちを追い込むため、人格形成で歪みも生じやすいといわれる。儒教の教えと軍隊文化が社会全体に根付いており、指導者と選手は“師弟関係”ではなく“主従関係”になりやすく、選手同士の上下関係も厳しい。暴力や理不尽な要求も黙認される風潮にある。

イ姉妹 ©AFLO

 2019年に国家人権委員会が調査した結果、小中学生の21%が暴力被害を告白したが改善は進まなかった。昨年6月には元トライアスロン韓国代表の女子選手が監督や先輩からのイジメを苦に自殺している。

 姉妹のイジメ問題を受けて文在寅大統領は「スポーツ界の暴力根絶に特段の努力を傾けよ」としているが、その闇は深い。

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