文春オンライン

《犬猫防災チャート診断》避難所に行くべきとは限らない! ペット防災で最も準備すべき「意外なポイント」とは?

note

 今年もまた、3月11日がやってきました。

 あの東日本大震災から今年で10年が経ちます。東北地方を中心に甚大な被害を出した震災は、人間だけでなく共に暮らすペットたちからも日常生活を奪っていきました。この2月にはまた全国各地で大規模な地震が続き、防災意識を高めた飼い主の皆さんも多かったのではないでしょうか。

 家族の一員であるペットたちは、かけがえのない存在です。では、災害時にその命を守るためには、飼い主には何ができるのでしょう? 2000年に創刊され、長年にわたり猫と人とのエピソードを描き続けてきた雑誌『猫びより』編集部の本田真穂さんに話を聞きました。

ADVERTISEMENT

『猫びより』編集部の本田真穂さん ©️文藝春秋

◆◆◆

『猫びより』編集部では、2018年に『猫と一緒に生き残る防災BOOK』を、今年1月に『犬と一緒に生き残る防災BOOK』を刊行しました。いずれの本も、家族の一員として暮らしているペットたちのため、災害時に飼い主さんがどう対応すればいいかの手引きになればと思い、制作をしました。

これまでペット防災に関する情報は少なかった

 もともと私は茨城出身で、東日本大震災の時も、東北ほどではないですが影響を受けました。当時から我が家では猫を飼っていたのですが、数日間は電気や水道といったライフラインも止まってしまい、恐怖を感じたことを覚えています。

 その時私はまだ学生だったので、両親が判断して「とりあえず在宅避難で過ごそう」ということになったのですが、その時から「もし避難所に行くとなったら、飼い猫をどうしよう」というのは頭にありました。結果的にその時はそのまま電気や水道も復旧したのでよかったんですけど、やっぱりそのことはずっと気にかかっていたんです。

本田さんが編集に携わった「いちばん役立つペットシリーズ」 ©️文藝春秋

 その後、当時刊行されていたペット防災に関する情報や書籍を読んでみたんですが、例えば防災グッズやフードにしても「何を、どのくらいの数を準備したらいいの?」というような具体的なことがはっきり分からなかったんです。だからこそ、「しっかりまとまっていて、具体的な数字や根拠に基づいたペット防災の本を作りたい」という思いが大きくなっていきました。