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“シャブ抜き”を依頼してきた女性をレイプ、右耳を噛み千切られ…“自称京大卒”ペルー人詐欺師のとんでもない経歴

 3年前に作成された1枚の履歴書がある。名前は「七夕弘明」。2012年、京都大学工学部に入学し、卒業後は同大学院工学研究科に進む。資格欄には司法試験予備試験合格、国境なき医師団(MEDIC(ママ))資格と記されている。

 だが――。

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 ペルー国籍のサコダ・ベガ・ヒロシ・ガブリエル(26)が警視庁に再逮捕されたのは今年2月15日のこと。全ての発端は、昨年10月21日、都内で発生した異様な傷害事件だった。

 秘匿性の高いメッセージアプリを使って「デトックスします」などと顧客を募っていたサコダは、覚醒剤使用者の若いカップルから“シャブ抜き”を依頼される。サコダは5万円の報酬で請け負い、台東区内のホテルの一室で落ち合った。

京大の偽卒業証書を掲げるサコダ

 2人に代謝促進剤を点滴投与したサコダは、男が眠り込んだ隙に、女と肉体関係を持った。サコダは「値段を安くする代わりにと、女の方から迫られた」と後に釈明したが、女の言い分は異なった。サコダが去ると、女は目を覚ました男に「さっきの医者にレイプされた」と告白したのだ。

 激怒した男は「具合が悪くなった」とサコダをホテルに呼び出し、暴行を加えた。サコダは右耳を噛み千切られ、鼻の骨を折るなどの大怪我を負う。騒ぎに気付いたホテルの通報で、警察沙汰へと発展した。

「サコダは『ベルトで縛られ、シャブも打たれた』と訴え、男女は傷害等の容疑で逮捕されたが、サコダにも無資格医療の疑いが浮上。ビザが切れたまま滞在していたため、昨年11月、まずは入管法違反容疑で逮捕した」(捜査関係者)

京大「吉田寮」に出没した“謎の外国人”

 サコダは1994年、南米ペルーの首都・リマで生まれた。本名に日本語の名残があるのは、父が日系人だからだという。2000年に両親の仕事の都合で来日。小中学校時代は静岡県で過ごし、日本語は完璧にマスターしている。

「高校は通信制を退学。その後はソフトバンクグループの通信制大学『株式会社立サイバー大』に入学するも、やはり途中で退学しているようだ」(同前)

 その間、静岡県内のコンビニでアルバイトをしていたが、18歳前後から京大の「吉田寮」に出没するようになる。中学の修学旅行で京都を訪れたのをきっかけに、京大に強い憧れを抱くようになったのだ。当時を知る京大OBが振り返る。

「当時は『迫田ヒロ』と名乗っていた。立教大生、地方の公立大生、京大の経済学部生など、言っていることがコロコロ変わり、胡散臭くてお調子者の“謎の外国人”だと思われていました。しかし2015年頃、京大生から借りた車を横転させる事故を起こし、そのまま逃走。行方が分からなくなっていたんです」