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「入社後は学歴について重点を置いておりません」…丸大食品“高卒社長、高卒会長”の実力

2021/03/17

 東証一部上場の食品加工メーカーに“高卒社長”が誕生する。丸大食品(大阪府高槻市)は2月22日、子会社・安曇野食品工房の佐藤勇二社長(56)が6月下旬の株主総会を経て、社長に昇格する人事を発表した。

「ZOZOの前澤友作前社長などベンチャー起業家の中には高卒の社長もいますが、丸大のような創業70年近い上場企業で、高卒のプロパー社員が社長になるのは非常に珍しいケースです」(メガバンク幹部)

釜石商卒の佐藤次期社長(安曇野食品工房のHPより)

 佐藤氏は1983年、岩手県の釜石商業高校を卒業後、丸大食品に入社。主に営業畑を歩み、2009年に営業本部営業部長、13年に執行役員営業部長に昇りつめた。その後、18年4月に現職の安曇野食品工房社長に転じている。グループ会社トップに出向したばかりの佐藤氏がなぜ、本社社長に返り咲いたのか。

「丸大食品はハムやソーセージが有名ですが、近年はデザート分野を強化しています。安曇野食品はその中心会社。佐藤氏が社長に就任して以降、タピオカミルクティーなどの『TAPIOCA TIME』シリーズが当たり、業績を大きく伸ばしました」(金融機関担当者)

 だが、親会社の丸大食品はコロナの影響を受け、業務用の販売などが苦戦している。今年3月期決算の売上高は、前年同期比5.2%減の約2330億円の見通しだ。

「収益も急速に悪化する中、営業力に長けた佐藤氏が親会社に呼び戻されました。役員の若返りを図る経営方針もあり、新社長に抜擢された形です」(同前)