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収容所では性暴力や拷問も横行……「中国最大の国際的汚点」ウイグル問題で難民が続出

2021/03/16

 中国の王毅外相は3月7日、バイデン米政権が批判する新疆ウイグル自治区の人権問題について「とんでもなくばかげている。全くの嘘だ」と反撃した。

 ウイグル族は中国西北部・新疆ウイグル自治区を中心に分布する少数民族だ。多くはイスラム教徒である。

 一昨年ごろからBBCなどで、無辜の市民の強制収容や不妊手術の強要といった、中国政府による凄惨な迫害が盛んに報じられ始めた。今年1月にはブリンケン米国務長官が「ジェノサイド(民族大量虐殺)との認識は変わらない」と表明。新疆問題はいまや中国最大の国際的汚点と化している。

トルコや香港など、世界中でウイグル弾圧に対する抗議デモがおこっている ©️AFLO

 もっとも、問題自体は数十年前から存在していた。特に今世紀以降は漢民族移住者の大量流入や、インフラ整備を理由とした伝統文化の破壊で、ウイグル族の民族感情が悪化。2009年に自治区の首府ウルムチで197人が死亡(当局発表)する騒乱も起きた。

 近年、欧米メディアが熱心に新疆問題を取り上げる一因は、米中貿易摩擦やコロナ禍による、対中感情の悪化だ。国際秩序に公然と挑戦する中国を牽制するため、ウイグル問題がクローズアップされた形である。「再教育」を名目に強制収容所に入れられている人も100万人以上にのぼると伝えられる暴挙は往年のナチスを連想させ、欧米圏を強く刺激している。