〈あらすじ〉
シチリア島パレルモ。中年男性のパオロ(ピエルフランチェスコ・ディリベルト)は、自分勝手なバイクの運転が原因で、交通事故で即死する。予想外の短い寿命に納得できず、天国の入口で役人(レナート・カルペンティエーリ)に猛抗議すると、寿命計算システムにミスが発覚し、92分間だけ寿命が延長される。役人の監視付きで地上に戻ったパオロは、92分後に死ぬ事実を伏せて、残された時間を家族水入らずで過ごそうとする。しかし、家庭を顧みずに生きてきたパオロの態度の急変に、妻アガタ(トニー・エドゥアルト)と2人の子どもたちは違和感を覚え……。
〈解説〉
『ローマ法王になる日まで』のダニエーレ・ルケッティ監督作。92分間で家族の絆を取り戻そうとする中年男の奮闘を描くヒューマン・コメディ。94分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆ふざけた発想のドラマなのに。笑わせかたは案外こぢんまり(わかりやすいとも言える?)。観光気分で楽しむべきか。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★☆☆☆キャプラやモレッティの線を狙っているが、不発。信号と踏切をかぶせ、猶予期間と上映時間を合わせた工夫も力みすぎ。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆盛りのついた犬みたいなパオロ。死に損ないのろくでなしと思っていたのが次第に可愛さにメロメロに。笑えて沁みる。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆貴方ならどうする? と問う模擬実験的な設定が抜群。中身はやや薄めの艶笑系。同じお題で色んな監督に競作して欲しい!
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洞口依子(女優)
★★★☆☆形而上学的プロットとパレルモの街並み。生と死の間にぶら下がる92分の人生についてよりイタリア男の幼稚性に苦笑。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
『ワン・モア・ライフ!』(伊)
ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開中
https://one-more-life.jp/
