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「環境問題を解決してやる!」小学3年生の娘の“意識高すぎる”質問攻めがツラい――中野信子の人生相談

あなたのお悩み、脳が解決できるかも?

2021/03/23

 みなさまのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えします。

中野信子さん ©文藝春秋

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Q SDGsに目覚めた娘の質問に答えられません――37歳・既婚・図書館司書(パート勤務)からの相談

 小学校3年生の娘(8歳)は、学校でSDGsについて教わり、「環境問題も人間社会の不平等も自分の世代で解決してみせる」と燃えています。いろいろ調べていると次々に疑問が湧くようで、私は質問攻めに遭っています。司書なら何でも知っていると思われているのです。でもいま、「環境に悪いレジ袋を有料化、つまり売っているというのはおかしいのではないか」と聞かれ、私は答えることができません。
 

最新回は発売中の「週刊文春WOMAN 2021年 春号」に掲載中

中野信子の回答

A 8歳は一般的には知的能力を司る前頭前野が未発達です。脳内の神経線維の配線が未完成で、大人に比べるとその機能は、十分とはとてもいえません。なのに、娘さんはよくこうした鋭い質問を思いつきましたね。

 まずは、「その質問はすばらしいね」と褒めてあげてください。私は次々と質問しては嫌がられるタイプの子どもでしたが、もし大人がもっと答えてくれていたら、もっと能力を伸ばすことができたかもしれないな、と今でも残念に思います。

 本題ですが「レジ袋の有料化は『売って利益を得る』のが目的ではなく、課金することによってレジ袋の消費量を減らそうという狙いなの。でも本当はプラスチックごみそのものが減ることが一番いいよね」と私なら答えます。有料化は利益のためでなく、消費をコントロールする目的で行う場合もあるということを、大人の視点で教えてあげるのです。