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「映画の内容が、昔観たのと違う!」記憶違いを認めない母(87歳)にどう対応すべき?――中野信子の人生相談

あなたのお悩み、脳が解決できるかも?

2021/03/25

 みなさまのお悩みに、脳科学者の中野信子さんがお答えします。

中野信子さん ©文藝春秋

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Q 記憶違いを認めない母――52歳・専業主婦からの相談

 87歳の母が先日、テレビで映画『愛情物語』を観ていました。若い頃にロードショーを観て、さかんに「よかった!」と言っていた作品です。しかし、「昔観たのと違う! タイロン・パワーが演じるピアニストの夫が先に死ぬはずなのに、キム・ノヴァクが演じる妻が先に死んでしまった」と言い出しました。

 母は記憶違いしているキム・ノヴァクを手本に、父が亡くなるまで一生懸命父に尽くしてきました。自分が記憶違いしているとは考えない。こういう母は脳科学的にどうなんでしょうか?

最新回は発売中の「週刊文春WOMAN 2021年 春号」に掲載中

中野信子の回答

A 『愛情物語』、いい映画でしたね。キム・ノヴァクは物語のかなり早い段階で死んでしまいますから驚くべき記憶違いですが、でもお母様の脳に問題があるということではないと思います。

 例えば、結婚前に別の男性と観にいった映画を夫と一緒に行ったと思い込んで、「あの映画、面白かったわね」って言って大喧嘩。あるいは、彼女と行ったディズニーランドを妻と行ったと思い込んで、「楽しかったね」と言って口もきいてもらえなくなる。妻も夫もよくやってしまう記憶違いですよね。