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あの小泉進次郎さんが言い出した「脱炭素社会」の憂鬱

日本の未来の敵は、実はドイツではないのか

2021/03/23
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 先日、ドイツのサッカーリーグ・ブンデスリーガのチームのひとつ、ハノーファーでプレイしている選手・室屋成さんに対し、ドイツ人レポーターが用いた「すしの国(land der sushis)」という表現が差別的だとして炎上していました。

 確かに日本は寿司の国ですからねえ。まあ、わかる。

©️iStock.com

環境先進国ドイツを追いかけたくなっている小泉進次郎さん

 ただ、欧州ではそもそも、互いを食べてるモノで差別したり罵倒する文化が根付いていて、例えばフランス人であれば「カエル」、ドイツ人なら「キャベツ」「ジャガイモ」などといった食べ物を使って差別的にいじる局面もあります。

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 いまは昔、まだアメリカとソ連が冷戦をしていたころは、西側諸国の人が「お前の家にセルビア人を送る」と言われれば、それはセルビア人に多かった暗殺者を雇う、つまりは殺してやるぞという意味合いの隠語だったという事例もあるぐらい、ヨーロッパというのは複数の人種が上手く共存する中でガス抜きをしてきた歴史を感じるわけですよ。いまは通じない言葉の数々も、第二次世界大戦後のスパイ合戦が色濃く残る記憶はいまでも頭をもたげてきます。

小泉進次郎環境相 ©︎AFLO

 あのころはドイツと仲良く戦争をやり敢えなく敗戦となった我が国が寿司の国と煽られるのもまたむべなるかなという気もしますが、2月、環境大臣になった小泉進次郎さんが立憲民主党の岡田克也さんからの衆院予算委員会での質問で「(二酸化炭素などの)温室効果ガス削減の先進地域を国内に作りたい」とか言い始めまして、ああ、始まったなと思うわけですよ。環境先進国であるドイツや、ドイツに導かれたEUに倣え、というような話です。