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仙台の愛宕神社に楽天・辰己涼介の“MyHEROタオル”が祀られている理由

文春野球コラム ペナントレース2021

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「前回、やっぱり涌井さんが炎上したんで……」(3月26日 ファイターズ戦でのヒーローインタビュー)
「西武ファンの方も楽天ファンの方も長い時間座っていると思うので帰った際にはストレッチをして……」(4月7日 ライオンズ戦でのヒーローインタビュー)

 今シーズンのお立ち台でも存在感抜群の2018ドラ1辰己涼介殿。心が強すぎる漢と申せばよいか。これよりも「辰己劇場」に何度も驚き、感服致す事は必至であろう。

 昨シーズンの辰己殿は104試合に出場したものの、打率.223 本塁打8 打点28 盗塁11と本人もファンも些か物足りない成績であった事と存ずる。

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 されど、今年3月のオープン戦からより磨きをかけた打撃力、守備力、走塁力、トーク力を大いに発揮し、楽天イーグルス首位バクシンを牽引する「1番・辰己」。追い込まれてからの粘りが感じられ、広角に長打を打ち分ける事が出来ておる。シーズン開幕からここまでの成績を見ても、打率.306 本塁打5 打点12 出塁率.377 OPS1.022(4月12日時点)と良き出だしと言えよう。

辰己涼介のタオルが祀られている神社の存在

 かように開幕から好調を維持する辰己殿にもイーグルスファンにも是非知ってもらいたい神社がある……。

©片倉景綱

 仙臺総鎮守『愛宕神社』である。

 かつては出羽国(山形県)米沢にあった愛宕神社。我が主君、伊達政宗様の移封とともにここ杜の都・仙台へと移転。現在は広瀬川を隔てる標高約80メートルの愛宕山の頂上に鎮座。我が片倉家とも縁の深い神社に御座る。春は桜、初夏は青葉、秋は紅葉、城下の夜景見物と魅力多き素晴らしい愛宕神社。わしも参拝に訪れる事がしばしば。

©片倉景綱 愛宕神社からの夜景(右側に楽天生命パーク宮城のスタンド照明が光り輝く)

 仙台では江戸時代より卦体神(けたいがみ)という十二支の守り本尊を信仰致しており、それぞれの守り本尊が祀られている神社仏閣へ参拝するという風習が御座る。要するに生まれ年に対応した神社仏閣へお参りをするとご利益があるというものじゃ。

 ここ愛宕神社もある生まれ年にご利益があるのじゃが……こちらをご覧あれ。

 子年生まれ・・・善入院
 丑・寅年生まれ・・・大満寺
 卯年生まれ・・・文殊堂
 辰・巳年生まれ・・・愛宕神社
 午年生まれ・・・二十三夜堂
 未・申年生まれ・・・大日堂
 酉年生まれ・・・三瀧山不動院
 戌・亥年生まれ・・・大崎八幡宮

 愛宕神社は辰年・巳年生まれの守り本尊。

 辰と巳……
 辰巳……
 たつみ……
 辰己……
 辰己殿!!!!

 字は違えども、同じ「たつみ」、愛宕神社は「たつみ の神社」とも呼べるのじゃ。 驚くのはこれだけでは御座らぬ! 愛宕神社境内にある勝鬨(かちとき)神社には……なんと!!!

©片倉景綱

 辰己!!!!

 辰己殿のMyHEROタオルが!!

 わしが知る限り、選手タオルが祀られている神社仏閣はここだけだろう。 辰・巳生まれの守り本尊である事を知らなければ参拝に訪れた折、「何故???」という疑問を抱くであろう。Twitterで「辰己 愛宕神社」で検索を致すと、「なぜに辰己なんや?」「辰己が神として祀られている」などの反応ツイートが出て参る。

 ひときわ目を引く、この辰己タオルについて、景綱が直接、宮司に問うてみた。

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