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藤田嗣治『猫の本』などの偽版画を販売するも、丸善書店公表せず「全ての作品の回収には至らなかった」

source : 提携メディア

genre : ニュース, 社会

偽版画流通、丸善が公表せず 大阪の画商、17年前販売か―藤田嗣治「猫の本」など

藤田嗣治

 平山郁夫ら著名画家の絵画を基にした偽版画の流通事件で、関与を認めたとされる大阪府の画商の男性(52)が約17年前にも、画家藤田嗣治の偽版画を丸善書店(現・丸善ジュンク堂書店)を通じて販売した疑いがあることが30日、同社への取材で分かった。旧丸善は当時、偽作が流通している可能性を把握していたのに公表せず、現在も一部が未回収のままとなっている。

 丸善ジュンク堂書店によると、旧丸善は2004~05年ごろ、この画商の男性と取引し、藤田嗣治(1886~1968年)の「猫の本」などの版画を東京・日本橋店などで販売。購入客からの問い合わせを受け印刷関連会社に確認したところ、版画ではなく印刷物の可能性があると指摘された。

 複数の関係者らの話では、機械による大量印刷が可能な「オフセット印刷」で刷られており、印刷物に現れる網点が確認された。作品によっては、相場のほぼ半額の1点約20万円で販売していたという。

 しかし旧丸善はこれを公表せず、問い合わせのあった客らに対してだけ、回収や真正品との交換をしていた。

 丸善ジュンク堂書店は取材に対し、「申し出のあった客のほか、住所などを頼りに連絡が取れた一定の客には回収などの対応をしたが、販売した全ての作品の回収には至らなかったと思われる」と説明。画商の男性の代理人弁護士は「コメントできない」と話した。

 偽版画をめぐっては、平山郁夫や東山魁夷ら著名画家4人の偽作16作品が流通していることが、業界団体「日本現代版画商協同組合」(日版商)などの調査で判明。画商の男性は日版商に対し、偽作の販売を認めているとされる。

 警視庁は昨年12月、著作権法違反容疑で関係先を捜索した。取引があったそごう・西武などの大手百貨店は、販売価格での引き取りなどを進めている。

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