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連載シネマチャート

突然の恋人からの異様な電話…じつはその前に彼を事故が襲っていた 「水を抱く女」を採点!

シネマチャート

〈あらすじ〉

ベルリンの都市開発を研究する歴史家のウンディーネ(パウラ・ベーア)は、市内の博物館でガイドを務めている。恋人のヨハネスから別の女性に心移りしたと別れを告げられて、悲嘆に暮れる彼女の前に、潜水作業員のクリストフ(フランツ・ロゴフスキ)が現れる。強く惹かれ合った2人は愛を大切に育んでいく。ある夜ウンディーネは、クリストフから普段とは様子が違う電話を受け、一方的に切られてしまう。すぐにかけ直すが繋がらず、不安に駆られて彼が暮らす町へ急ぐと、クリストフは電話の時間よりも前に、湖で事故に遭っていた。

〈解説〉

水の精(ウンディーネ)の神話をモチーフにしたラブストーリー。監督・脚本は『東ベルリンから来た女』『未来を乗り換えた男』のクリスティアン・ペッツォルト。第70回ベルリン国際映画祭で、銀熊賞と国際映画批評家連盟賞を受賞。90分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆よく知られた神話を現代の恋物語に。全編に漂う不穏な空気。水面下という異界。女優の怜悧な美貌。ロマンティック!

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆水没や浮遊といったイメージの連打が映画を包み込む。技量豊かな監督が、強烈な恋愛体質の主人公に触発された霊異譚。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆ウンディーネの淡々とした語りとツンデレの妖艶さに溺没。愛する想いの美しさと恐ろしさを90分間で味わい尽くした。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★★☆硬質のバロキズム。質実剛健な語りのうえに冷たい官能が立ち上がる。人工性と神話性が融合したドイツ美学の幻想譚だ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★★神話、伝承、東西ドイツの都市の歴史、沼地だったベルリンから蘇る水霊と現代のロマンスとを縫合する手腕。お見事!

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© SCHRAMM FILM/LES FILMS DU LOSANGE/ZDF/ARTE/ARTE France Cinéma 2020

『水を抱く女』(独、仏)
新宿武蔵野館、UPLINK吉祥寺ほか全国順次公開中
https://undine.ayapro.ne.jp/

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