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小6児童の悲痛な声「なんで加害者を擁護するの?」 不適切指導で2年半も不登校に

心因性による嘔吐が止まらずに……

2021/04/13

genre : ニュース, 社会

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「ここの学校はイジメをかくすさいやくな学校です。これにした理由はそれいがいなんもないからです。それにぼくはふとうこうです」(原文ママ)

 これは大阪府堺市の小学6年生の児童Aさん(11)が、4年生のころに書いたものだ。〈学校の様子を地いきの人に知ってもらうため、学校しょうかい新聞をつくって地いきのけいじ板にはることにしました。あなたなら、学校のどんなところを記事に書きますか?〉という作文の課題が出された。その答えとして書いたものだ。

 ただ、不登校だったため、実際に提出はしていない。新学期の季節だが、今年度も不登校からスタートする。Aさんは卒業までに再び登校できるのか――。

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担任からのきびしい叱責を受け不登校に

 作文に「ぼくはふとうこう」とあるが、理由は担任の指導だ。「イジメ」とはあるものの、教員の指導をきっかけにしている。しかも、子ども同士のいじめと違い、事実関係についての詳細は調査の対象外になっている。Aさんの母親は、SNSで同じ思いをしたり、関心がある全国の人たちに呼びかけて、「不適切指導を考える会」(仮)をつくった。

 いったい、何があったのか。

 母親によると、それはAさんが3年生のときだ。10月22日の体育の授業中、バレーボールをしていた時だった。Aさんは、飛んできたボールを頭で受けてしまった。担任である女性教師は、Aさんにこう言った。

「ふざけるなら、やらんでもいい」

 翌日の校外学習は休んだが、その後、学校へ登校をした。そのとき、担任がAさんを廊下に呼び出した。「なんで遠足休んだ?」ときつく聞いたという。

「私からの電話で、休んだ理由について、担任は自分が原因だと知っています。息子も、先生が知っていることを分かった上での登校でしたので、すごく恐怖を感じたようです。だから、担任の質問に答えないでいたら、『何なん?』と聞かれ怖くなり、『風邪です』と答えました。そしたら、先生は『ふーん』とだけ言って去っていった、といいます」(母親)

不適切指導は半年前からはじまっていた

 ただ、この件だけで、Aさんが登校を渋ったわけではない。もともとAさんと担任の関係性はよくなかったという。4月、母親が学校に出向いた際に、担任に会った。そのときは母親の後ろに隠れるように回った。

 母「どうしたん?」

 Aさん「いや、なんかちょっと……」

 そのときAさんは「嫌だ」など否定的な言動はしていない。母親はそのとき、担任に対して「喋り方がぶっきらぼうで、語尾がきつい。感情の起伏がない」との印象を持ったが、「息子は、先生と相性が合わないだけかな?」と思ったという。