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田中優子・法政大学前総長が明かす「女性総長であることで、困ることはありませんか?」への答え

「文藝春秋」5月号「巻頭随筆」より

2021/04/26

 この3月末日で法政大学総長(学長と理事長を兼務する仕事)の任期が終わった。総長に就任したのは2014年4月である。就任前からさまざまな取材があり、入学式も雑誌に取り上げられた。その理由は「東京六大学で初の女性総長」だからである。

田中優子さん ©文藝春秋

 今回、この巻頭随筆に誘っていただいた時も、「東京六大学では初の女性総長ということで」と書いて下さったのだが、そう言えばこの7年、東京六大学で2番目、3番目の女性総長は出現していない。ジェンダーギャップはあまり変わっていなかったのだ。

相変わらず女性は「トークン」に

 相変わらず女性は「トークン」になる。トークン(token)とは象徴のことで、マイノリティであるという理由で珍しがられ、例えば「初の~」などという言葉で象徴化されることを言う。少数者でなくなる最低限の割合をクリティカル・マス(Critical Mass)と言い、通常30%とされる。そこで企業その他の諸組織は2020年までに女性管理職30%を目指したのだが、全く届いていない。

法政大学 ©文藝春秋

 とは言え、クリティカル・マスが達成できなかった点では法政大学も同じだった。2016年に「ダイバーシティ宣言」を出して多様性を重視してきたのだが、職員の管理職や理系学部の女性教員の割合は伸び悩んだ。そこで2020年度は男女共同参画推進タスクフォースを立ち上げて集中的に審議し、退任前になんとか、今年度から動き出す推進チームを創った。