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お塩をひかえた三ツ星ご膳で美味しく健康に!

高血圧のスペシャリスト・ 伊藤裕先生とミシュランの三ツ星シェフ・ 江﨑新太郎さんが健康と食事について語り合った。

2021/05/12

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“メタボリックドミノ”を世界に提唱した高血圧のスペシャリスト・伊藤裕先生と、ミシュランの三ツ星シェフ・江﨑新太郎さんが健康と食事について語り合った。歳を重ねても健康で過ごす秘訣とは?

食材そのものの味わいを料理に活かす

伊藤 ここは本当に素晴らしい環境ですね。空気に透明感があります。

江﨑 自然の中でもう一度食に向き合ってみたくなり、さらなるステップアップのために八ヶ岳に移りました。こちらに来てから体調もよくなって、いっそう健康にも気を配るようになったんです。

伊藤 健康面で何か気になることがあるのでしょうか。

江﨑 実は高血圧なので、薬を飲んでいます。

伊藤 そうでしたか。現在、日本には高血圧の方が約4300万人いらっしゃいますが、そのうち血圧をうまくコントロールしている方は約1200万人です。正しく薬を飲むことと合わせて考えなくてはならないのが生活習慣の見直しです。

江﨑 正しく薬を服用することは案外難しいですね。高血圧というと塩分を意識した食生活が大切になると思いますが、今回、私ができることとして、お塩を控えた御膳のレシピを考案しました。塩分は体にどんな作用をもたらしますか? 

伊藤 そもそも私たちの体には、体内の塩分濃度を一定にする働きがあります。そのため、塩を摂りすぎると体内の水分が増えて、血液量が多くなってしまう。それが高血圧の原因になります。たとえ薬でうまくコントロールできていても、塩分控えめを習慣にすることは大切です。

江﨑 塩を少なくすると物足りない味になるというイメージがありますよね。でも、今回のレシピでは食材そのものの力を活かして、満足感のある味わいになるようにしています。

伊藤 裕
Hiroshi Ito
慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科 教授。日本高血圧学会前理事長。メタボから合併症への進展を概念化した“メタボリックドミノ”を世界で初めて提唱。
伊藤 裕
Hiroshi Ito

慶應義塾大学医学部 内科学教室 腎臓内分泌代謝内科 教授。日本高血圧学会前理事長。メタボから合併症への進展を概念化した“メタボリックドミノ”を世界で初めて提唱。

伊藤 それはいいですね。日本食の場合、塩分の多くを醤油からとっていると言われますが、かける醤油の量も控えられるでしょうか。

江﨑 魚であれば、少しの醤油と塩、だしや生姜と一緒に袋に入れて下味をつけておくと、他に味をつけなくてもおいしくなります。冷奴も生姜のすりおろしを添えるだけで豆腐本来の旨味が感じられるんですよ。

伊藤 なるほど、醤油をかけるべきとの思い込みは捨てたほうがよさそうですね。

江﨑 日本料理では醤油を香りづけに使うこともあります。1滴でふわりと香りを立たせるのもいいですね。

伊藤 今回のレシピでは、他にどのような工夫をされたのですか。

江﨑 旨味成分の効いただしをうまく利用することです。えさきの料理はだしを大切にしていますが、ご家庭でも簡単に応用できるように工夫しました。

伊藤 だしを引くのは手間がかかりますよね?

江﨑 いえ、実は簡単です。ご家庭では鰹節を入れた急須にお湯を注ぐだけで十分おいしくなりますから。

伊藤 なるほど、それならすぐにできそうです。

江﨑 鰹や昆布に含まれるグルタミン酸やイノシン酸などの旨味成分は、料理をぐっとおいしくしてくれます。そこに酢や果汁、生姜のようなパンチの効いた味をプラスすると味わいに膨らみが生まれます。野菜でもとくにトマトはよく味が出ますので、たとえば鰹と昆布のだしに入れるだけで味噌汁の代わりになるおいしいスープができますよ。

八ヶ岳 えさき
山梨県北杜市大泉町谷戸5771-210
Tel.0551-45-8707
http://esaki-yatsugatake.com/
八ヶ岳 えさき
山梨県北杜市大泉町谷戸5771-210
Tel.0551-45-8707
http://esaki-yatsugatake.com/

伊藤 高血圧の患者さんが入院されると病院では減塩食になりますが、どうも味気なく感じられるようで「早く家に帰りたい」とおっしゃる。そして退院後はすぐもとに戻ってしまうんですね。それでは意味がないので、家庭で作れるおいしい減塩食の指導も必要だと常々考えていました。

江﨑 今回考案したレシピは、どれもお金も手間もかけずに作れるもので、食材も家庭の冷蔵庫にあるようなものばかりです。ちょっとしたコツは動画でわかりやすくお教えしています。塩分控えめを続けると味覚が冴えて、食材そのものの微妙な味がわかるようになってきますよ。

伊藤 塩分は、とればとるほど体に吸収されやすくなるという悪循環に陥りがちです。逆に、一度体から抜けてゆくと、それほど摂りたくなくなる。つまり、うまく減塩できれば味覚も鋭くなって塩に頼らなくても満足できるし、塩分を貯めにくい体にもなれるんです。

江﨑 食材の味がしっかりわかると、食べること自体がもっと楽しくなるでしょう。高血圧の方だけではなくご家族皆さんで試していただきたいですね。

食を楽しむためにいつまでも健康で

江﨑新太郎
Shintaro Esaki
料理の名店で修行を重ね、1994年、東京青山に「青山 えさき」を開店。2018年、八ヶ岳に移転し「八ヶ岳 えさき」を開店。「ミシュランガイド東京」では7年連続三ツ星取得。
江﨑新太郎
Shintaro Esaki

料理の名店で修行を重ね、1994年、東京青山に「青山 えさき」を開店。2018年、八ヶ岳に移転し「八ヶ岳 えさき」を開店。「ミシュランガイド東京」では7年連続三ツ星取得。

伊藤 この超高齢社会にあって、元気で長生きする人は血圧が高くない傾向にあります。血圧の安定は長生きのバロメーターとも言えるでしょう。歳をとったら血圧は上がるのが当然と思っている人もいますがそれは迷信。上がっていくのは体が弱っているということです。だから早く自分の状態を知って、対処したほうがいい。5月17日は「高血圧の日」です。国際的にも「世界高血圧デー」と定められ、世界中で「血圧を測ろう」と呼びかけています。

江﨑 僕もできるだけ毎日測るようにしています。先日偶然テレビで伊藤先生のお話を聞いて、1日の中でも血圧はかなり変化すると知りました。

伊藤 そうなんです。自分の血圧がいつ高めになるか知っておくといいですね。
高血圧と診断されたらなるべく早い段階で薬を飲んで血圧をコントロールし、食生活の改善も始めるといいでしょう。食べることは生涯続く楽しみです。自分の健康に気を配って、いつまでも元気に食べることを楽しんでいただきたいと思います。


お塩を控えても奥深い味わい 江﨑流レシピを伝授

『ブリの照り焼き  柿とクミンの香りで』

レシピと作り方動画はこちら。
https://ketsuatsu-support.com/lowsalt/esaki/


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https://www.novartis.co.jp/


Photo:Hisashi Yoshino