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《連続不倫訴訟》40代電通マンを“被害女性の会”が追い詰め、ついに初公判! X氏は直撃に「同時進行の恋愛の一環」

genre : ニュース, 社会

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「夫が不倫していることも赤坂に別邸があることも、全て知っています。あなたたち以外の女性からも連絡を受けています」

 2018年9月に婚活アプリ「ゼクシィ縁結び」で知り合った電通社員の男性X氏と、結婚を前提に交際していたA子さん(42)。しかし2019年7月、横浜でのボランティア活動中に、同じ男性と同時進行で交際していたB子さん(42)と“奇跡的な出会い”を果たす。そこからX氏が語っていた名前、年齢、仕事、生い立ちなどすべてが嘘だったことが発覚し、妻子がいることを隠してA子さんやB子さんと交際していたことも明らかになった。

B子さんと写真におさまるX氏

 そして2019年の12月、A子さんとB子さんは、X氏の妻に「夫の悪事を全て明かす」つもりで手紙を書いた。しかし、X氏の妻が自ら経営するピラティススタジオで発したのは、冒頭の「全て知っています」という言葉だった。

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 現在、A子さんは別の被害女性と協力して、X氏を相手取り200万円の損害賠償を請求する民事訴訟を起こすに至っている。(#1より続く。全2回の2回目)

「夫はずっとこんな感じなんです」

 X氏の行状を妻は知らないと思っていたA子さんとB子さんは、予想外の答えに驚きを隠せなかった。A子さんが当時のやりとりを振り返る。

A子さん「えっ……? Xが独身と偽って複数の女性と交際していることをご存じなんですか?」

「はい、実は今年(2019年)の夏にも被害を受けたという女性から連絡が来ているんです。『あなたの夫が婚活アプリで詐欺みたいなことしてますよ』って」

雑誌に登場した時のX氏と妻、娘

B子さん「知っているのに何もしないんですか?」

「夫はずっとこんな感じなんです。ダブル不倫している現場を見つけたこともあるし、女性関係は結婚する前からずっとめちゃくちゃ。事実を問い詰めたことも何度もあります。でも『お前の頭がおかしい』、『馬鹿じゃないのか』と、取り合ってもらえない。離婚をほのめかすと『こんな馬鹿な女に子供は渡せない。親権は俺が持つ』と。本当にごめんなさい。必ずXからあなた方に謝罪をさせますから」

 その言葉は2人にとって心から納得できるものではなかった。しかし、X氏の自分勝手な行動を何度も止めようとしたが叶わず、無力感に陥ってしまったという妻の言葉が嘘であるとも思えなかった。

X氏が作成していた偽名の名刺

「正直に言えば奥さんに会いに行く前は、夫婦の仲が悪くなって家庭が破綻すればいい、という悪意がなかったと言えば嘘になります。でも奥さんの話を聞いたら、Xは結婚した相手に対してもまったく誠意のない態度を取っていることがわかりました。それで徐々に、奥さんも被害者の1人なのではないかと思うようになりました。奥さんは『なんでも協力する』と言ってくれたので3人でLINEグループを作り、近況を報告しあうようになりました」(A子さん)

 A子さん曰く、ピラティスのスタジオを後にする頃には“同志”が3人に増えたような感覚だったという。3人は、X氏に謝罪させる場を作る計画を練り始めた。しかし同時期にX氏が名古屋へ転勤し、さらに新型コロナウイルスの流行によって一度はその計画は頓挫してしまった。