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母親は娘が結婚していたことも「知らなかった」

 怪死を巡る捜査はどうなっているのか。

「行政解剖の結果、覚せい剤は野崎さんの胃の中から検出されています。覚せい剤を食物に混ぜたか、あるいはそのまま飲み込んだのではないか。毛髪の簡易鑑定では常習性を裏付ける結果は出ていません。覚せい剤を入手し得る第三者の関与の疑いが濃厚です」(社会部記者)

 6月2日には、東京・新宿区にある早貴さんの自宅に和歌山県警による家宅捜索が入った。

 早貴さんの母が、複雑な胸の内を語る。

「(早貴さんの父は)医者ではなくて会社員です。そんなこと言ってたんですか……。あの子は専門学校が終わってちょっとしてから東京に行ったんですよね。『友達の所に泊まって向こうでちょっと働く。投資と不動産の会社やるから手伝いをする』といい、ビットコインと株投資で『収入はある』と話していました」

 娘が結婚していたことも「知らなかった」という。

「今年4月に住民票を取ったところ、娘の名前がなかったので、確認したら『自動車免許を取る』と言っていたんです。今回、『何かあったの?』とLINEで聞いたら『6月に帰るから、そのときに説明するから』と。でも、どう見たって娘が怪しいですよね」

「4000万円を家政婦に譲る」

 早貴さんの自宅に加えて、もう1カ所、和歌山県警が東京で家宅捜索に入った関係先がある。

 野口幸代さん(仮名)の六本木の自宅だ。幸代さんは野崎氏の会社の取締役を務めると共に、月に10日ほど田辺市に通い、家政婦として食事など野崎氏の身の回りの世話をしていた。愛犬イブが急死した際、野崎氏に疑われたあの家政婦である。

和歌山県警の捜査員

 野崎氏と親交のあるデヴィ夫人はこう話す。

「社長は私の目の前で『もし死んだら(家政婦に)4000万円譲るという遺言を書いている』と家政婦さんに言っていました」

 田辺市で生まれた幸代さんは上京後、夜の街を舞台に生きてきた。六本木にダイニングバーを開店させたのは、十数年前のこと。

「お店は繁盛していて、幸代は俳優の竹内力が常連だと自慢していました。でも、その当時婚姻関係にあった夫に問題があった。彼は覚せい剤で2~3回逮捕された末、幸代に三行半(みくだりはん)を叩きつけられたのですが、出所後、金を無心するようになったのです。そんなこともあり、その飲食店は閉店してしまいました」(飲食店関係者)

 幸代さんは、元夫の逮捕歴を隠そうとせず、野崎氏の会社の従業員にあけすけに語ることもあったという。その後、彼女が雇われママとして働くことになったのが、同じ六本木のスナック「P」だった。当時の源氏名は「小雪」。彼女を知る別の飲食店店主が当時を振り返る。

「マスターとママの他、30代くらいの女の子が2~3人いましたね。ママの娘はクラブシンガーをしていました」

 同店は約2年前に閉店したが、その頃から幸代さんは「和歌山の富豪のところに行く」と周囲に話していたという。彼女が“家政婦”として野崎氏の自宅に出入りするようになったのは、今から約8カ月前のことだ。

「幸代さんはとにかく社長をおだてるのがうまい。『社長すごーい』って。『私はそういう仕事(ホステス)をしてきたから扱いが違うのよ』なんてことを言うんです」(前出・従業員)