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「家庭内感染が増加していて、家族も陽性や濃厚接触者という場合が多く、家族に会えないまま亡くなられていった患者さんが数多くいます。人生の最期に、私達だけが見送る状況です。ご家族の気持ちを思うと、『本当にこれでよかったんだろうか』と。ご家族が陽性や濃厚接触者でなければ、うちの病院では感染対策をきちっと取ってもらった上で、本当に数分ですが、最期のお別れをしてもらえるよう努力しています。『会わなかったら絶対後悔する』という気持ちが私達の中にあるので」

 先日、コロナで亡くなった患者の遺品を片付けていると、ハーモニカを見つけたという。

「ああ、この人、ハーモニカを吹く人だったんだって。患者さんのことを何も知らず、何の関わりもできないままだった。この人のことを『人』としてちゃんと診れていないと愕然としました。コロナの場合、こちらもフル装備で、マスクをして、ゴーグルをして、表情も見えません。看護師として当たり前のケアもできないのは本当につらい」

吉村大阪府知事

 大阪府堺市にある総合病院の看護師・Cさんも、「看取り」についてこう語る。

「第4波では家庭内感染が増えていて、家族が濃厚接触者だったりすると、病院まで来てもらうこともできない。本来、お亡くなりになられたら看護師の方で体をきれいにさせてもらい、身支度をしてご家族にも面会をしてもらうんですが、今は極力、亡くなった後も曝露のリスクがあるのでご家族は体には触れないよう徹底しています。納体袋に患者さんを入れ、棺に入れるところまで看護師がするんです。ストレッチャーと棺をお預かりして看護師がベッドから移し替える。霊安室に移動してからご家族に対面してもらうんですが、お顔を見ることも、触れることもできない。いままでの看取りとまったく状況が違います」

 Cさんも、やはり第4波の危険性を肌身で感じているという。

「第3波までは入院患者は高齢者が中心でしたが、今は若くなっている。40〜50代が中心になっています。30代が複数いた時もありますし、30代の重症化もあります」

 振り返ると、大阪が緊急事態宣言を前倒しで解除した2月末が悔まれるとCさんは言う。