昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

source : 提携メディア

genre : ビジネス, 企業, 経済

日本経済のためにはペットボトルよりアルミ缶を買ったほうがいいワケ

さて、地球の温暖化を止める目的で考えると素朴な疑問がわきます。なぜ無印良品は電力を大量消費するアルミを使うのでしょうか。企業と政府が温室効果ガスの削減を追求するうえでまず必要なことは、化石燃料の利用を減らすこと。石油が原料のペットボトルを減らすことはわかりますが、そこで大量の電気を必要とするアルミへと材料を変更する意味はあるのでしょうか?

それが実は「ある」のです。ここが今回の無印良品の取り組みのおもしろいところです。

アルミを選んだのは「水平リサイクル率」が高いから

無印良品を展開する良品計画によれば、今回アルミに着眼したポイントは水平リサイクル率の高さにあるそうです。リサイクルにもいろいろと種類があるのですが、水平リサイクルとは回収し再利用する際に同じ製品に戻すこと。つまりアルミ缶をリサイクルしてアルミ缶に再生すれば、それが水平リサイクルということです。

ペットボトルもリサイクル率が高い再生可能資源です。ただし、ペットボトルをリサイクルするとポリエステルの綿になります。それはゲームセンターの景品になるぬいぐるみの中綿などに再利用されているのです。それはそれで意義があることですが、「景品のぬいぐるみがすぐに飽きられて捨てられるのであれば、どうなのか?」という問題提起もなされています。

そこでペットボトルでも水平リサイクルの取り組みが始まっています。日本コカ・コーラが「い・ろ・は・す」で100%リサイクルペットボトルを使い始めたのがその例です。ざっくりとした数字で言えば日本の指定ペットボトルの出荷量が年間63万トンほどで、うち7万トン強がペットボトルへと水平リサイクルされるので、単純計算すればペットボトルの水平リサイクル率は12%程度だと計算されます。

リサイクルを徹底すれば、電気代は3分の1になる

これに対してアルミ缶はもともとの電力コストが高いことから、昔から再利用が進んでいます。アルミ缶リサイクル協会によるとアルミ缶は、日本国内のリサイクル率が98%、缶から缶への水平リサイクル率は67%と非常に高いレベルなのです。