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ホテルに缶詰めで、食事はカップ麺…欧州選手団が怒った五輪前大会の低レベル

それでも会期が後半に向かうにつれ、弁当の中身はずいぶん進化したようだ。しかし、途中からそうした「選手が納得できる弁当」を用意できたならば、どうしてそれを最初から用意できなかったのか。大会における飲食物の供給に関しては完全に失敗だったといってよいだろう。

問題点4「練習で“密”が生じたのは本当?」

飲食物をめぐる「こじれ」に反して、競技会そのものは順調に行われた。大会では日本選手の活躍も目立った。中でも14歳の玉井陸斗選手が高飛び込みで五輪切符を手にしたのは、明るい話題となった。

一方、日本メディアの着目点には問題があったようだ。

大会初日の練習で選手らが間隔をほとんど空けないで飛び込み台に整列した状況を「選手が密」と伝えた。

しかしこの報道をめぐり、ある選手は「不愉快」という反応を示した。「日本側の徹底した感染防止措置のおかげで、私たちはコロナ禍以前と同じように練習ができると考えた。選手が密に並んでいたと批判されるのは心外です」

あるチームスタッフからもらった写真には、記者らが間を空けることなく取材にいそしむ様子が映っていた。おそらくメディアは「密」が生じた状況について、直接、選手に質問していないのだろう。「選手らのことを批判する前に、日本の記者の皆さんが密を是正すべきではないでしょうか」。このスタッフは皮肉まじりに指摘していた。

運営側のレベルが未熟としか言いようがない

今回紹介した大会の状況について、2012年のロンドン五輪の際、「市民に公開されたプレ大会は全部行った」という60代女性に意見を求めてみた。

「プレ大会は本来、本大会と気候が同条件の1年前に行われるものですが、コロナの影響でそれは無理だった」と同情を寄せるものの、「すべての条件を本番とより近い形に高めて実施されるべき。会場が整備されている前提で、選手たちが本番に向けた微調整を行う機会だと思います。でも、主催者が飲食物で選手の足を引っ張るなんて、運営側のレベルが未熟としか言いようがないですね」と批判。