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「寄付をいただき…」オービック会長夫妻が有名病院の医療従事者用ワクチンを“闇打ち”接種

 東証一部上場のシステム関連会社で、「勘定奉行」のCMなどで知られる「オービック」の代表取締役会長・野田順弘氏(82)と、妻で取締役相談役のみづき氏(86)が、亀田総合病院に割り当てられた医療従事者枠のコロナウイルス・ワクチンを4月に接種していたことが「週刊文春」の取材でわかった。野田夫妻が接種した時点で、同病院の医療従事者の接種は完了していなかった。

 野田夫妻が1回目の接種をしたのは4月20日、2回目は5月12日。接種場所は千葉県鴨川市にある亀田総合病院だった。同病院関係者が明かす。

亀田総合病院

「野田夫妻は、当病院にとって最高ランクのVIPです。毎年多額の寄付を受けており、2012年に亀田医療大学が開学できたのは、野田夫妻の支援があったからこそ。みづき夫人は同大学の理事も務めています。病院はそんな上客のために、ルールをすり抜けて新型コロナのワクチンを優先的に接種したのです」

 オービックの連結売上高は800億円、時価総額は2兆円を超える。一代で巨万の富を築いた野田氏の保有資産は約4700億円。米経済誌『フォーブス』の今年の長者番付では国内11位だった。

オービックの野田会長(同社HPより)

 政府はワクチンの優先順位として①医療従事者、②65歳以上の高齢者、③基礎疾患がある人の順に定めている。医療従事者は勤め先から接種券が渡されるが、野田夫妻が該当する「高齢者」には、居住する自治体から発送される。夫妻が暮らす東京・大田区で高齢者への接種券発送が始まったのは5月17日。2人は、その約1カ月も前にワクチンを接種できたことになる。大田区感染症対策課に尋ねると、

「(居住地以外の)かかりつけ医で接種するにしても、通常、接種券が来た段階で病院に予約を入れます。ワクチンの記録・管理のため、(正式な)接種券がなければワクチン接種はできないことになっています」

 しかし――。前出の病院関係者が語る。