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「コロナ交付金で巨大イカ建立」世界中からネタにされた能登町の公金感覚を問う

追随するように、英紙ガーディアンやロイター通信など世界各国のメディアが、同趣旨の記事を写真や動画付きでネットなどで配信。町担当者にも取材し詳報した5月6日付の米ニューヨーク・タイムズのネット記事では「町民の一部は臨時交付金のより良い使い道がなかったのか、疑問視している」との見方を示した。

地方創生臨時交付金は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策として政府が創設した自治体向け交付金だ。2020年度第1~3次補正予算で総額4兆5000億円を計上し、申請があった自治体に配分。コロナ感染防止のほか地域経済の活性化などに幅広く使えるのが特徴で、感染症患者を受け入れた医療機関への支援金支給や宿泊施設を活用したテレワーク推進など、全国で多様な活用例がある。

町議「しっかりとした議論なく決めてしまった」

一方で、このイカのモニュメントのように、各地で感染症対策との直接的な関連の有無や活用法の是非が問われるケースも見られた。千葉県白井市は、市内の公園39カ所に感染症対策への協力を呼びかける看板設置費に約3000万円を充てる予算を昨年12月の市議会に提案し可決。しかし「医療従事者支援など他に使い道がある」と反対する市民らのグループが中止を求める約1900人分の署名を市に提出している。

財務省の昨年11月の財政制度等審議会の分科会でも、問題視する声が上がった。国が示した活用例以外の「ユニークな」取り組み例として、ごみ袋配布、花火大会開催、スキー場のライトアップ、ランドセル配布、公用車購入、駅前広場への屋根設置などを列挙。有識者からは「地方議会がチェックを果たすべきだ」「適切に使われているか検証が必要」などの意見が相次いだ。

不適切な活用例が出た背景には、予算案を可決した地方議会のチェック機能の不全が大きな問題としてある。イカモニュメントの設置予算が可決された昨年7月の能登町議会一般質問では、町議らからモニュメントに関する話題が上がらなかった。ある町議は完成後「ここまで大ごとになるとは予想していなかった。国の活用例に合っていると判断し、しっかりとした議論なく決めてしまった」と反省した。