昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

IOC重鎮委員が独占告白「菅首相が中止を求めても、大会は開催される」

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、開催の是非が問われている東京五輪。そうした中、IOC(国際オリンピック委員会)の最古参委員、ディック・パウンド氏(79)が、「週刊文春」の単独インタビューに応じ、「菅首相が中止を求めても、大会は開催される」などと述べた。

 パウンド氏はカナダの元競泳代表選手。1978年からIOC委員を務めており、バッハ体制下では最古参委員だ。ファン・アントニオ・サマランチ会長時代には副会長を務めるなど、IOCの要職を歴任してきた。「現会長のバッハ氏にも直言することを厭わない重鎮委員」(IOC関係者)だという。

最古参のパウンド委員 ©共同通信社

 そのパウンド氏が「週刊文春」の取材に応じたのは、日本時間の5月23日(日)深夜。以下、本人との主なやり取りだ。

――日本の世論調査では今夏の開催に8割が否定的だ。

「昨年3月、延期は一度と日本が述べたのだから、延期の選択肢はテーブル上に存在しない。日本国民の多くが開催に否定的な意見であるのは、残念なこと。ゲームを開催しても追加のリスクはないという科学的な証拠があるのに、なぜ彼らはそれを無視して、科学的なことはどうでもいいと言うのか。ただ『嫌だ』と言っているだけではないのか。開催したらきっと成功を喜ぶことだろう」

――観客については、どう考えているか。

「安全を考えると、観客を入れるべきでない。保守的可能性だが。ただ、率直に言って、世界の99.5%はテレビや電子プラットフォームで楽しむのだから。会場に観客がいるかどうかは重要ではない。なぜなら、すべてのカメラはアスリートとパフォーマンスに焦点を当てており、観客には焦点を当てていないから。つまり、雰囲気を味わうために生の観客がいるのはいいことだが、必須ではない」

2016年10月、現在の上皇、上皇后両陛下に謁見したバッハ氏 ©共同通信社

――開催にあたり、アスリートの健康面については問題ないか。

「個人的には心配していない。というのも、公的機関や公衆衛生当局がこれらの動向をフォローしてくれると信じている。また、日本に来る人は、母国を出る前に何度も検査を受けていることを忘れてはいけない。成田空港などに到着した際にも検査を受けることになる。健康であれば、バスに乗って“バブル”の中にある選手村に移動する。このような運営上の詳細については、主催者や日本政府、保健当局が非常に慎重に検討していると思う。彼らが心配していないのであれば、私も心配していない」