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組織委は非公表 聖火リレーで読売新聞記者が観客を骨折させていた

 3月25日に福島県をスタートして以来、全国各地を行脚している東京五輪の聖火リレー。そうした中、取材中の読売新聞記者が聖火リレーの観覧に来ていた女性を骨折させる事故が起きていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。

 大会のオフィシャルパートナーとして名を連ねている読売新聞。「きょうの聖火」と題して、毎日のように聖火リレーのコースなどを報じている。

 聖火リレーを運営する電通関係者が明かす。

「事故が起きたのは、岐阜県内を回っていた4月3日。読売新聞の記者が聖火リレーの観客を骨折させてしまいました。感染対策上も聖火リレーの“密”が懸念されていますが、多くの人数が集まることで、こうした人身事故も起きてしまう。本来であれば、取材する他メディアや観客への注意を喚起すべきところですが、組織委員会は事故を公表していません」

大勢の観客が集まった岐阜県での聖火リレー ©共同通信社

 なぜ組織委員会は公表しないのか。理由を尋ねたところ、以下の回答があった。

「公道で起きた事案につき、読売新聞社においてご対応頂いています。読売新聞社にお問い合わせ下さい」

 一方、読売新聞グループ本社広報部が小誌に回答したところによれば、主な事実関係は以下の通りだ。

 4月3日、読売新聞の記者がランナーの通過前に写真撮影する場所を探すために、沿道を小走りしていた際、観覧に来ていた女性にぶつかって転倒させ、怪我をさせてしまう。記者はその場で女性に謝罪し、今後の対応のため、連絡先を交換。現場近くに居合わせた警察官からも状況を尋ねられ、経緯を説明したという。

 4月12日、読売新聞は組織委員会に口頭で説明し、翌13日には文書で事故や話し合いの状況を報告。事故の公表については「通常の当社の報道基準に照らすと対象外と考えている」ものの、「(取材があれば)事実関係をありのままに伝えようと思っている」旨を伝えた。