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「こんな裸だった」と言いふらし…私が“女性から女性への性加害”について声を上げる理由

下着姿の写真を知人男性に見せられたことも

2021/06/08

 最近、女性から女性への性加害についてツイートをしたところ、多くの人から「あるある」という声を寄せていただいた。

3500RT以上された筆者のツイート

 

 反応を追っていると、「共感」以外にも「女性同士でもそういう加害があるなんて知らなかった」という反応も多かった。

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 男性から女性への性的加害については(減ったかどうかはさておき)世間一般で以前よりも比較的認知が進みつつあるように思えるが、男性から男性、女性から男性、女性から女性への性加害などは、まだ広く語られていないし理解されにくいものなのだろう。

「性加害をしている」自覚がない

 問題なのは、例えば私が経験したケースであれば、共通の知人男性に情報を漏らした女性には「性加害をしている」という自覚すらないことで、なんなら「褒めてあげているのに」とか「身体がきれいだということを伝えたかっただけ」程度の認識しか持ち得ていない点だ。

 そうした発言から考えるに、たまたま被害者と“同性”であるゆえに知り得ただけにすぎないプライベートな情報を、本人の許可もなく、その場にいなかった人たちに勝手に「教えてやろう」という行為そのものが暴力性を伴うことに、まったく気付いていないように思える。

©iStock.com

 私の場合、大人になった今でさえ、相手がたとえ同性であっても他者に裸を見られることに抵抗があるのは、更衣室での着替えや修学旅行での風呂、社員旅行の温泉などで受けた被害の積み重ねによるものだ。

 20歳前後くらいに、女性の友人が、着替え中で下着姿になっている私の写真を勝手に撮っていたらしく、後日、私の目の前でその写真を共通の知人男性に見せたことがあった。しかも、なんの前触れもなく、突然に。写真を見せられた男性二人は一瞬何が起こったかわからない様子で「えっ」と驚いた顔をしたあと、反応に困り、固まっていた。不審に思った私が「なに?」と聞くと、友人は下着姿の私の写真を、本人に向かって悪びれもなく見せた。