昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

「太田さんは変な人、田中さんはバケモノ」爆笑問題“本当の田中裕二”が考えていること

2021/06/29

source : 提携メディア

genre : エンタメ

爆笑問題・田中裕二「目標も上昇志向もない」悩みゼロ人間の生き方

 

田中裕二がわからない。いつもにこやかで、人当たりよく、ツッコミ、MC……求められた役割に徹する。一般的な認識は「太田が変人、田中は常識人」だった。しかし、私たちは本当の田中裕二を知らないのではないか。盟友・ 伊集院光は言う。「太田さんは変な人、田中さんはバケモノ」。 教えてほしい、本当の田中裕二とは?

※この記事は『クイック・ジャパン』vol.156(6月24日発売)のインタビューを一部抜粋したものです。

ベテランがウケるのは難しい、そこからどう裏切るか

 

──手放しで「うれしい」って感じるのはどういうときですか? 謙遜も忘れて「やったー」みたいな瞬間は。

田中 なんだろうね……どかーんとウケたときなのかな。たとえば、漫才をやって、お客さんが涙流して腹抱えながら笑ってたら、それ以上のものはないですよ。でもそんなことめったにないですから。

──めったにないですか。

田中 それってねえ、どんどん厳しくなってくるんですよ。つまり、僕らがそれを経験したのは、デビューしてからすぐ、若手の数年だけ。メジャーになってくると、そうなりづらくなってくる。ネタって、できればその人の本当のことは知らない、まっさらな状態で見せたほうがよりウケやすいんです。売れるとなんであんまりみんなネタをしたくなくなるかっていうと、ウケが単純に減るから。もうキャラクターも知ってる、「おなじみの」人たちがネタをやっても、そこまで純粋におもしろいと思えない。

でも、どこのどいつかわからないのが突然出てきてとんでもないことをやるってなったら、おもしろい!ってなるじゃないですか。それこそミステリアスなんですよ。俺らが出て行って、俺の片玉をイジったところで、別になんの新鮮さもない。それが何周もして定番ギャグとしてウケるまで行くのは、それはそれでまたすごいんだけど。

 

──2年前の『M-1』のミルクボーイさんのような。

田中 そうそう。視聴者はミルクボーイなんかほとんど知らなかった。あのネタも、ほとんどの人にとってみれば、初めての体験だったよね。そういうのがバーンと来たときに、そこにベテラン組が対抗するのは難しい。よっぽどとんでもないネタを発明できたら別だけど。だからやっぱり……ネタでウケるっていうのが、一番手放しでうれしいことですね。